米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が、フロリダ州の自動運転スクールバスの運行を中止するように求めていたことが、2018年10月26日までに明らかになった。
自動運転スクールバスを運行していたのは公共交通事業者のトランスデブノースアメリカ社。同社はNHTSAから2018年3月に自動運転の試験走行に関する許可は得ていた。しかし報道などによると、スクールバスを定期的に運行することについては当局側に伝えていなかった。
NHTSAはスクールバスに関してはその性質上、安全基準を厳しく設定しており、同社が得ていた許可の範囲では運行が認められるものではなかった。そのためNHTSAが今回、自動運転スクールバスの運行中止を命じたという形だ。
トランスデブノースアメリカ社は2018年8月下旬に自動運転スクールバスの運行開始を発表していたが、その時点では当局から問題視されることはなかった。同社は自動運転スクールバスに関して別な許可が必要と認識せずに運行をしていたものと思われる。悪気があったわけは無かったようだ。
■自動運転バスに秘める可能性
今回は許可の問題で運行が中止になったものの、自動運転バスには社会問題を解消する大きな可能性が秘められていることは確かだ。人手不足の高齢化地域や過疎地域では公共交通機関の維持が難しい。そんな中で自動運転バスが運行されれば、市民の足を確保することにもつながる。日本国内でも高齢化が進むニュータウンなどで導入に向けた動きが進んでいる。
【参考】日本国内の郊外住宅地における自動運転サービスの取り組みについては「国交省、ニュータウンで自動運転サービスの社会実装実験 実施主体を公募」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) October 9, 2018