テスラ運転手のiPhone、事故後「勝手に警察に通報」

自動運転車自身もいずれ?



米フロリダ州でテスラ車が街灯柱と木に衝突する事故を起こしたときに、運転手のiPhoneが自動的に911へ通報する出来事があった。スマートフォンの進化によって、事故発生時の緊急通報が自動化されつつある。


一方、フロリダ州では完全自動運転車が事故を起こした場合、車両自身が法執行機関へ通報することも認められている。 今回の事案などを契機に、自動運転車両が事故を起こせば、車両自身が通報する仕組みに対する関心が高まりそうだ。

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■iPhoneが自動的に911へ通報

事故が発生した当時、最初に911へ知らせたのは、運転手が自分で操作した電話ではなかった。iPhoneに搭載された「衝突事故検出」機能が事故を検知し、自動的に緊急サービスへ電話をかけた。

iPhone 14以降では、重大な衝突を検知すると警告を表示し、利用者が反応しなければカウントダウン後に緊急サービスへ通報する仕組みになっている。通報時には事故が検知されたことに加え、端末が推定した位置情報も送信される。

■自動通報だけでは「義務」を満たさない

今回のケースで興味深いのは、iPhoneが警察へ事故を知らせたにもかかわらず、それだけで運転手の法的な義務を果たしたことにはならない点だ。


iPhoneの自動通報は警察に現場の座標を伝えるものの、ドライバーの氏名や住所、車両の登録番号までは伝えない。法律が求めているのは「事故の発生を知らせること」だけではなく、「責任を負う人物が身元を明らかにすること」だからだ。

そのため、スマートフォンが代わりに通報してくれたとしても、ドライバー自身が現場にとどまり情報を残さなければ、過失や逃走とみなされるようだ。

■フロリダ州では…

なおフロリダ州では「完全自動運転車」に関する例外規定も存在する。自動運転システムが作動中に事故を起こした場合、車両自体が警察へ通知する機能を備えていれば、人間が車を停止させなくても要件を満たすという。

しかし、この規定はあくまで無人運転車を対象としたものであり、人間がハンドルを握る車両には適用されない。


■事故検知技術が次の段階へ?

今回の事故は、事故検知技術が次の段階へ進む可能性を考えるきっかけになる。

現在はiPhoneが衝突を検知して911へ通報する。しかし、自動運転技術が普及すれば、車両に搭載されたAIが衝突を検知し、事故の規模や位置、車両の状態などを判断したうえで、警察や救急などへ自動的に情報を送る仕組みが一般化する可能性がある。

例えば、事故による車両の損傷状況や乗員の状態などをAIが分析し、「警察への通報が必要」「救急車の手配が必要」と判断するようなシステムだ。

フロリダ州ですでに自動運転車による事故の自動通報を想定した法制度が存在することは、こうした未来が単なる技術的な構想ではなく、法制度の側でも対応が始まっていることを示している。

【参考】関連記事としては「自動運転車の事故、日本・海外の事例・事案まとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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