VWが「人間付きロボタクシー」を展開

子会社モイアがドイツで



写真画像の出典はMOIA社

大手自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)の子会社モイアは、ドイツのハンブルグで、自動運転バン「ID.Buzz」による旅客運送サービスの試験運用を開始したことを明らかにした。

欧州の自動車メーカーが本国で自動運転の乗客向けサービスを本格展開するのはなんと初の事例となる。ただし、すべての運行車両の運転席に訓練を受けた「安全オペレーター」が常駐する。つまり、今のところは「乗務員がいるロボタクシー」だ。


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■「相乗り型」のサービス

この運用サービスは専用アプリを通じて事前登録した市民が予約が可能で、まずは最大5台の車両で運行をスタート。利用者は、実証実験期間中は無料で利用できる。当初の試験運行エリアは、約4平方マイル。将来的には約14平方マイルへと段階的に拡大される予定だ。

順調にすすめば車両数も10台まで増やし、地域交通アプリとの統合によって公共交通を補完する役割を担うことが当面の目標であるという。

ただ、この試験運転でモイア社が目指しているのは、Google系Waymo社のような個別の客のためのロボタクシーサービスとはどうやら少し異なり、同じ方向へ向かう複数の乗客が同乗する「相乗り型」のロボタクシーサービスとなっている。

出典:MOIAプレスリリース

■現在はあくまで試験的な運行

欧州でのロボタクシー事業の本格参入の発表ではあるが、すべての運行車両の運転席に訓練を受けた安全オペレーターを常駐するという今回の形式。将来的には、遠隔操作センターからの監視による完全無人運行への移行を計画しているが、その実現時期は不透明だ。


乗務員が必要な段階では、従来のタクシーやバスの運営コストと大差なく、自動運転がもたらす革新的な効率化や人手不足の解消という恩恵を十分に享受できない。ただ、現在はあくまで試験的な運行であり、そこまで目くじらを立てる必要もない。

■出遅れ感は否めない

自動運転バン「ID.Buzz」が、多数のセンサーやカメラを搭載しながらも公道での無人走行に踏み切れないのは、自動運転AIの予期せぬ交通状況への対応力に不安があるからかもしれないが、それ以上に、まずは安全を重視したい姿勢が根底にあると考えられる。

ただ、競合が完全無人走行の実績を重ねる中、出遅れ感は否めない。欧州最大の自動車メーカーとしての挑戦に、引き続き注目だ。

【参考】関連記事としては「自動運転タクシー(ロボタクシー)とは?日本やアメリカ・中国の状況は?」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
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