
米トランプ政権が、完全自動運転車においては「ブレーキペダル」の設置義務を撤廃する規則改定案を提案している。
人間が運転することを想定していない完全自動運転車の開発においては、これまでブレーキの設置義務がネックとなり、デザインを無人化仕様に最適化できていなかった。
【参考】関連記事としては「自動運転関連の法律・ルール解説(日本・海外)」も参照。
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■設置義務撤廃の意義は?
この改定案は、運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)が連邦自動車安全基準(FMVSS 第135号の改正案)のアップデートとして提案したものだ。
米国では、車両のタイプに関わらず、手動または足踏み式のブレーキ操作装置を備えることが法律で義務付けられている。この改正案では完全自動運転システム(ADS)専用に設計された車両(いわゆる完全自動運転車両)に限り、この義務が免除されるという内容だ。
現在の制度でも、一定条件でブレーキなしの車両を運行させることはできる。ただ、メーカーが政府に対して個別に安全基準の免除申請を行う必要がある上で、この免除には「年間最大2,500台」という厳しい車両数の上限が設けられていた。
そのため、商業的に大規模サービスを展開する上でボトルネックとなっていた。
■ TeslaやZooxにとって追い風
今回の改正案が実現すれば、当然、ハンドルやペダルのない次世代自動運転車両の開発を進めるテック企業や自動車メーカーにとって、極めて大きな追い風になるはずだ。
その筆頭と言えるのが、米電気自動車(EV)大手のテスラ(Tesla)やAmazon傘下の自動運転スタートアップであるZoox(ズークス)。
テスラは、ハンドルもペダルも持たないロボタクシー仕様車「サイバーキャブ」の開発を進めている。Zooxもペダル類を一切排除した独自の四輪ロボタクシーを発表している。

■パブリックコメントも実施
ただNHTSAは「ブレーキペダルという物理的な装置の義務は無くすものの、車両が安全に停止するための性能基準は一切妥協しない」と強調している。
具体的には、厳格な制動距離の基準などはそのまま維持され、各開発企業はペダル以外の代替手段を用いたテストを通じて、同等の確実な制動性能を証明しなければならないという。
今回の改定案については、60日間の「パブリックコメント」の手続きが実施される。
■「ワイパー」や「曇り止め」に続き…
トランプ政権下の米運輸省は、これまでも自動運転車におけるワイパーや曇り止め、タイヤ表示に関する古い型式の基準を見直す方針を示してきた。
そして、今回の「ブレーキペダルなし」を容認する提案。車両の構造や安全性に直接関わる最も象徴的な箇所だけに、業界はこれまでより一際動向に注目している。
【参考】関連記事としては「自動運転、アメリカ(米国)の最新動向|開発企業は?」も参照。













