自動運転レベル1〜2に相当する「ADAS」(先進運転支援システム)の搭載が進むが、実際にはADASの各機能の普及率はどれほどなのだろうか。こうした視点で興味深い実態調査の結果がこのほど発表された。
調査はソニー損害保険株式会社(本社:東京都大田区/代表取締役社長:坪田博行)=ソニー損保=が行ったもので、「自動ブレーキ」の搭載率は約35%、「車線逸脱防止支援システム」の搭載率は約40%という結果になったという。
【参考】関連記事としては「ADASとは?(2023年最新版)」も参照。
■国内で浸透しつつあるADAS
ソニー損保は、2023年6月に自家用車を所有し月に1回以上車を運転する18~59歳の男女に対し、「全国カーライフ実態調査」をインターネットで実施し、1,000人の有効回答を得た。その中で、ADASの安全支援機能についての搭載率についても質問している。
結果、安全支援機能についての搭載率は以下のようになった。
- 車線逸脱防止支援システム(車両のふらつきや車線からのはみだしをお知らせする機能):40.4%
- 自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ):35.0%
- 定速走行・車間距離制御装置/ACC(アダプティブクルーズコントロール):28.2%
- 死角検知機能(自車の斜め後方など、死角に車がいたらお知らせする機能):21.2%
なおドライブレコーダーの搭載率は52.5%で、2013年の調査開始後初めて半数を超えたという。
■「今後搭載したい」という割合も高め
安全運転支援機能について、現在は付けていないが今後付けたいと思う各機能の割合は、「車線逸脱防止支援システム」は35.7%、「自動ブレーキ」が47.0%、「定速走行・車間距離制御装置/ACC」が41.8%、「死角検知機能」が54.5%だった。
ADAS関連の今後のシステム搭載についての意欲は高い反面、「そのようなものがあることを知らなかった」という回答も一定程度あった。
■そもそもADASとは?
ADASとは「Advanced driver-assistance systems」の略称で、一般的に「エーダス」と呼ばれる。日本語では「先進運転支援システム」と略され、こうした機能を車両に実装することで、事故が起きる確率を減らしたり、運転手の運転の負荷を軽減したりすることが可能となっている。
先行車の追尾のためや居眠りによる危険回避といった特定目的・特定条件下で作動する機能のため、自動運転レベルの基準ではレベル1~2にあたる。運転の責任はドライバーにある。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?(2023年最新版)」も参照。
自動運転レベルとは?(2023年最新版) https://t.co/B7vwnOlAbg @jidountenlab #自動運転 #レベル
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) January 11, 2023
■ADASは「自動運転」の前段階
ソニー損保の調査において「最も購入したいと思う車(車種)」では、1位「プリウス(トヨタ)」、2位「N-BOX(ホンダ)」、3位「アルファード(トヨタ)」、4位「ヴォクシー(トヨタ)」、5位「アクア(トヨタ)」「シエンタ(トヨタ)」「セレナ(日産)」という結果になった。
これらの車種の新型には、全てADASが搭載されている。中には渋滞時に手放ししても運転を代行してくれたり、スマホのアプリから操作するだけで自動駐車してくれたり、といった機能を搭載した車種もある。
ADASは自動運転の前段階だ。今後よりADASが身近になっていくことで、自動運転車への社会受容性も高まっていくことが期待される。
【参考】関連記事としては「自動ブレーキ搭載率、前年比8%増の20.3%に 自動運転につながる支援機能に関心高く」も参照。