河野太郎デジタル大臣がこのほど、日本の自動運転技術について、規制の問題をクリアにできないため開発が遅れていることについて、「忸怩たる思い」と語った。ニッポン放送のラジオ番組においての発言だ。
北欧のエストニアでケンタッキーフライドチキン(KFC)の自動運転デリバリーを視察した河野大臣。発言は、この視察を終えてのコメントという形で発せられた。
【参考】関連記事としては「自動運転で無人配送、ケンタッキー(KFC)が北欧エストニアで実現」も参照。
■デジタル推進国で自動運転デリバリーを視察
河野大臣は2023年7月にデジタル先進国のエストニアやパレスチナなどを訪問し、7月15日にはTwitter(現X)に、「エストニアで見た自動運転の配達車。」として、ファーストフードチェーンのケンタッキーフライドチキン(KFC)が、自動運転でデリバリーを行っている動画を投稿している。
エストニアで見た自動運転の配達車。 pic.twitter.com/xrAPvsbTAE
— 河野太郎 (@konotarogomame) July 15, 2023
ニッポン放送のラジオ番組に出演した河野大臣は、この取り組みについて「動く宅配ボックス」と形容している。
また、パレスチナでは若い人たちが自動運転のスタートアップを立ち上げており、そこで開発した技術はすでにヨーロッパで実験している段階であることに触れた上で、「日本はどのように持続可能な物流を実現するかという問題が出ていますから、本当は日本でこそ自動運転の技術を先に進めなければいけなかったのだと思います。しかし、なかなか規制の問題をクリアできずに進められていないのは、忸怩たる思いがあります」と語った。
さらに「アメリカのサンフランシスコでは、あれだけの街なかをタクシーが自動運転で走っています。日本でこそ、そういう技術が確立できるような努力を、官民挙げて行わなければいけないと思います」と続けた。
▼河野デジタル担当大臣 エストニアでファストフードの自動運転での配達を体験「日本は官民挙げて自動運転の技術を確立するべき」|ニッポン放送 NEWS ONLINE
https://news.1242.com/article/452200
■過去にも「つまらぬ規制が沢山」と発言
河野大臣が紹介したKFCの自動運転配送車は、エストニア企業Clevonの自律走行配送ポッドで、ミドルサイズのモビリティとなっている。
KFCとClevon、フードデリバリープラットフォームの開発を手掛けるFudyの3社は2023年6月から、自動運転車でのデリバリーサービスを開始している。
河野大臣は過去にも、自動運転の実用化が進まない現状について「つまらぬ規制が沢山あるというのが現実ではないか」と発言しており、大臣自身がこれまでも自動運転先進国との差を如実に感じているのは明らかだ。
自動運転の実用化の推進に向け、河野大臣が今後どう動いていくのか、政治の面からも自動運転関連の動向のウオッチを。
【参考】関連記事としては「自動運転で河野大臣「つまらぬ規制が沢山」 警察庁に「頭切り換えて」」も参照。