T2と三菱地所、レベル4自動運転トラックの物流網構築へ

資本業務提携を行うことで合意



T2の実験車両=出典:T2プレスリリース

自動運転技術を活用した次世代の物流システム構築を目指す株式会社T2(本社:千葉県市川市/代表取締役CEO:下村正樹)と三菱地所株式会社(本社:東京都千代田区/代表執行役執行役社長:中島篤)は、レベル4自動運転トラックの物流ネットワーク構築に向け共同開発を行う。

両社は2023年6月30日に、資本業務提携を行うことで合意した。日本初の自動運転トラックに対応した物流ネットワーク構築に向け、T2の手掛けるレベル4自動運転トラックによる日本の幹線輸送と、その発着地点となる三菱地所が開発する次世代基幹物流施設を融合させ、シームレスな輸送を実現していくという。


【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?(2023年最新版)」も参照。

■T2と三菱地所、業務提携の背景

T2はレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの提供を目指し、AI(人工知能)開発を手がけるPreferred Networksの技術提供を受け、三井物産により2022年8月に設立された。

自動運転技術を活用した社会インフラを構築し、日本の物流を支えることを目指し、自動運転システムの開発やレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業、幹線輸送に付随した関連サービス事業などを手掛けている。

三菱地所とは設立当初から連携を進めており、トラックドライバーの不足といった深刻な社会課題への危機感や、日本の経済成長と国民生活を持続的に支える強い物流の実現といったビジョンを共有していることから、今回資本業務提携を行うに至ったという。


そのほか、T2は三菱地所を引受先とするプレシリーズAラウンドの第三者割当増資12億5,000万円を実施したことも今回発表している。

■両社が目指す物流ネットワークは?

三菱地所は、京都府城陽市で次世代のモビリティを受入可能とする高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」の開発計画を進めており、敷地内にレベル4自動運転トラック発着拠点となるモビリティプール(車両を停車する場所)を設置する予定だという。それを今後T2が活用していく。

出典:T2プレスリリース

また両社は、レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できる基幹物流施設の整備や、レベル4自動運転トラックと基幹物流施設を組み合わせた新サービスなどの共同開発を行っていく。

T2代表取締役CEOである下村氏は「日本の幹線輸送の大動脈である関東・関西間を基軸としたレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスを初期のターゲットとし、将来的にはエリアを順次拡大する予定」だとしている。


また三菱地所のコマーシャル不動産事業グループ執行役員である小張貴史氏は「次世代基幹物流施設を核としたアセット開発やその他不動産事業の展開も検討している。今回の提携により、新たなレベル4自動運転トラックによる幹線輸送物流網が構築できる基盤を整備していく」とコメントしている。

■T2と三菱地所のタッグに注目

両社は今後も、革新的な物流システムを構築することで日本の物流を支え、ドライバー不足という社会課題解決に寄与し、日本経済の成長を支えていくとしている。

自動運転トラックの物流ネットワークの早期の実用化が期待される。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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