日本航空(JAL)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は、ハワイでMaaSの実証実験をこのほど開始した。実証の対象者は日本からハワイへの旅行者で、2024年3月31日まで行われる。
この発表でいうMaaSとは、ハワイでの旅行計画を簡単で便利に行うことができる「旅行プランニングサービス」機能のことだ。ハワイ州観光局が公認するJALのアプリ「HAWAIICO」において、この機能をリリースしたという。
■移動サービス大手2社がタッグ
HAWAIICOは2018年にJALが提供開始したアプリで、ハワイの最新情報やチップの計算機能など便利なコンテンツが多数搭載されている。
HAWAIICOの旅行プランニングサービスでは、旅行日程・往復便名などを入力すれば、目的に合ったモデルコースやおすすめスポットをもとに、自由に旅行プランを作成できる。また、ハワイのタクシーやバイクシェアといった交通手段の予約も可能となっている。
さらに日本国内で新幹線などの予約ができる「えきねっと」や、経路検索ができる「JR東日本アプリ」とも連携させ、日本国内の移動もサポートしていくという。
■JALとJR東日本のMaaSの取り組み
JALは2022年2月から「JAL MaaS」の提供を開始している。これは、空港を中心とした前後の移動の検索や地上交通の予約、お得なクーポンの提供などができるサービスだ。
一方、JR東日本はシームレスでストレスフリーな移動の実現を目指し、グループ内外のサービスとの連携に取り組んでいる。これまでにも、JALグループの国内線とJR東日本の主要路線を組み合わせて検索可能な「リアルタイム経路探索」機能を開発するなど、連携を進めてきた。
両社は、自宅から国内外の目的地まで簡単・便利に移動できる社会を実現するという目標に向け、ハワイでMaaSの実証を共同で行うに至ったという。
これまでは「自宅から空港」「日本からハワイ」「空港からホテル」とシーンごとに旅行の過程が分断されており、その都度移動サービスを手配する必要があった。両社が連携することにより、1つのシームレスな旅行体験になることを目指す。
【参考】関連記事としては「アフターコロナ意識!JR東日本が「MaaS・Suica推進本部」設置」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) May 31, 2020
■観光客にとって有用なサービス
旅行者数がコロナ禍前と変わらない状況に戻ってきつつあるハワイにおいて、観光客にとって有用なサービスであるMaaSが利用できるようになることは、良いニュースだ。利用者の反応にも注目したい。
【参考】関連記事としては「フィリピンでMaaS!?大日本印刷の気になる海外事業」も参照。