空飛ぶクルマなどの開発を手がける株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)は、スカイ・イノベーション投資事業有限責任組合などからの第三者割当増資により、シリーズCの追加調達を実施したことを2023年4月6日に発表した。
これは2022年9月に行われた資金調達に続くもので、事業基盤や経営基盤を強化することによる「空飛ぶクルマ」と「物流ドローン」のメーカーとして、機体開発や事業推進において中長期的な成長を加速することを目的としている。
■これまでにも積極的に資金調達
スカイ・イノベーション投資事業有限責任組合のリミテッドパートナー(有限責任組合員)として、SkyDriveに間接出資を行ったのは、SGC、NOBUNAGAキャピタルビレッジ、村田製作所、その他法人、個人投資家などだ。
イノベーション・エンジン代表取締役の佐野睦典氏は、「SkyDriveは空飛ぶクルマ分野において型式承認の日本第1号を目指すトップランナーです。福澤社長の強力なリーダーシップと魅力的なビジョンにより空の移動革命を実現されることを期待しています」とコメントしている。
なおSkyDriveは、2018年11月の3億円に始まり、2019年9月に15億円、2020年8月に39億円、2022年9月のシリーズCラウンドで総額96億円の資金調達を行っている。これにより2022年の累計調達額は約147億円となり、同年における国内スタートアップ資金調達額ランキングで7位となった。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ開発のSkyDrive、資金調達で国内7位に」も参照。
空飛ぶクルマ開発のSkyDrive、資金調達で国内7位に https://t.co/9A7N8zvHfJ @jidountenlab #空飛ぶクルマ #資金調達
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) October 24, 2022
■空のモビリティ革命に挑むSkyDrive
SkyDriveは、有志団体CARTIVATOR(現Dream-On Management)から派生する形で2018年7月に設立された、日本を代表するエアモビリティ開発企業だ。国内初の空飛ぶクルマの4分間の公開有人飛行を2020年8月に成功させたほか、2021年10月には日本初となる空飛ぶクルマの型式証明申請が国土交通省に受理され話題となった。
2021年9月には大阪府・大阪市と、2023年1月には兵庫県と、空飛ぶクルマ実現に向けた連携協定を締結した。2025年に開催される大阪・関西万博に向けた機運醸成を推進していくという。
また米サウスカロライナ州に拠点を置き、米国市場へ参入することや、カナダのVPorts社と業務提携し、ドバイのエアモビリティ市場に参入することなども今年に入り発表している。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ企業SkyDrive、米国参入!2026年運航開始へ」も参照。
物流ドローン関連では、大林組と共同で橋梁建設現場での物流ドローンによる資材運搬の試験運用を開始したことを2月に発表している。今後実際の建設現場での試験運用を重ね、建設現場に適した機体の開発や効果的な活用方法を検討していくようだ。
なお大林組とは、空飛ぶクルマ事業においても協業している。SkyDriveと大林組のほか、関西電力と近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険をあわせた5社は、2025年以降に大阪で空飛ぶクルマ実用化するための社会受容性向上に向けた取り組みとして、「大阪府内における空飛ぶクルマのある未来像啓発」を2022年に行っている。
【参考】関連記事としては「日本初!自動運転で飛ぶ物流ドローン、橋梁建設現場で資材運搬」も参照。
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■事業展開にスピード感
自治体や企業と協力し、空飛ぶクルマと物流ドローンの両方の事業について、スピード感をもって取り組むSkyDrive。米国やドバイへの進出の今後も気になる。次はどんなニュースが出てくるか楽しみだ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは(2023年最新版)」も参照。