米インテル傘下で自動運転の技術開発を行っているイスラエル企業Mobileye(モービルアイ)の2022年第3四半期(2022年7〜9月)の決算が、このほど発表された。同社は2022年10月26日に米ナスダックに上場しており、上場後初めての四半期決算の発表となった。
2022年第3四半期の売上高は、前年同期比38%増の4億5,000万ドル(約610億円)だった。損益は4,500万ドル(約62億円)のマイナス。なお前年同期は2,600万ドルのマイナスだった。
要は、2022年第3四半期の売上高は大きく伸びたが、純損失も大きくなった格好だ。これは同社の戦略通りという見方があり、将来的な大きな収益増を見越して研究開発費に大きな投資を行なった結果であると考えられている。
▼Mobileye Discloses Third Quarter 2022 Results and Business Update
https://ir.mobileye.com/news-releases/news-release-details/mobileye-discloses-third-quarter-2022-results-and-business
■CEO「当社の戦略が成功」と強調
Mobileyeについては最近、自動運転技術にスポットライトが当てられがちだが、現在の主力事業の1つはADAS(先進運転支援システム)向けのSoC(システムオンチップ)「EyeQ」の展開だ。報道によれば、EyeQの調整後の売上総利益率は、70%台後半で順調に推移しているという。
MobileyeのCEO(最高経営責任者)であるアムノン・シャシュア氏は、今回の決算発表について「第3四半期の好業績は、当社の戦略が成功したことを示している」と強調。その上で「ADAS向け製品は引き続き高い成長と収益性を達成しており、平均システム単価は前年同期の45.7ドル(約6,200円)から53.0ドル(約7,200円)へ押し上げられた」と説明している。
■次なる成長エンジンは「自動運転」
Mobileyeは、イスラエルのヘブライ大学でコンピューターサイエンスを研究するシャシュア氏によって1999年に設立された。単眼カメラを主体としたADASソリューションの開発・製品化で存在感を高めた企業だ。2017年に米インテルに買収された。
これまでに25を超えるOEM(完成車メーカー)と手を結び、6,000万台以上の車両にモービルアイのソリューションが採用されているという。
ADAS開発企業として揺るぎない地位を誇る同社は、近年自動運転開発にも積極的で、高性能チップをはじめとしたソリューションの提供にとどまらず、有力な自動運転開発プレイヤーとして存在感を高めている。
▼Mobileye公式サイト
https://www.mobileye.com/
【参考】関連記事としては「Mobileyeの3兆円IPO、自動運転業界初の「ちゃんとした上場」?」も参照。