中国IT大手・百度(バイドゥ)の子会社であるJidu Auto(集度汽車)は、2028年にロボットカーを年間80万台供給することを目指す「2880戦略」をこのほど発表した。
同社は2022年6月にレベル4の機能を搭載した自動運転EV(電気自動車)「ROBO-01」のプロトタイプを公開しており、2023年の納車を予定している。現時点では、自動運転レベル4の市販車は、これが世界初となる予定だ。
Jidu AutoはEV大手の米テスラのライバルの1つとして注目されている新興EVメーカーで、百度が中国自動車大手のGeely(浙江吉利控股集団)とともに2021年に設立された。
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■2023年には中国の46都市に販売網
今回のJidu Autoの発表によると、2022年内に中国・上海に販売版ロボカーのコンセプトを来場者が体験できる「ブランド・エクスペリエンス・センター」をオープンし、2023年には中国の46都市に販売網を構築する。
また、ROBO-01に続き2代目となるロボカーのデザインを、2022年11月に開催される広州モーターショーで披露する予定だという。この2代目の車両は2024年に納車が開始される予定だ。
Jidu Autoは量産体制構築のため、上海に約2万平方メートルの敷地を持つ本社を設立しており、開発や設計、車両評価、ソフトウェアやハードウェアの研究部門などを集約させている。
そして、2028年には年間80万台のロボカーを納入することができるようにするという計画だ。
■車両の音声制御も可能になる見込み
中国ではGoogle並みの支配力を持つと称される百度と、自動車メーカーの吉利汽車やボルボ・カーズが出資する中国のGeelyが共同で2021年に設立したJidu Auto。BaiduのAI技術をフル活用し、同社が開発する自動運転車では車両の音声制御も可能になる見込みだ。
レベル4の市販車を発売している自動車メーカーは世界でもまだない状況で、レベル4の量産計画まで前進させようとしている同社に引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「世界初「自動運転レベル4市販車」、中国・百度が発売へ」も参照。