4年9カ月をかけ、損害保険ジャパンが自動運転レベル4以上に対応した「自動運転システム提供者専用保険」の開発にこぎつけた。
この保険は、事業者が使う自動運転車に対し、自動運転システムの提供者が保険を付保する契約方式で提供される。こうした仕組みは国内で初めてだという。
開発したのは、損害保険ジャパンとティアフォー、アイサンテクノロジー、東京大学大学院情報理工学系研究科の加藤真平准教授の研究室。
■2017年から東京大学と共同研究
損保ジャパンは2017年5月から、東京大学とともに自動運転レベル4以上の自動運転技術に対応する保険商品の開発に向けて共同研究を進めてきた。
2019年2月にはティアフォーやアイサンテクノロジーと業務提携を結び、インシュアテックソリューション「Level Ⅳ Discovery」の共同開発も進めてきた。
そして東京大学と共同研究を開始した2017年5月から数えて4年9カ月、「自動運転システム提供者専用保険」の開発の発表に至った。
■eve autonomyの自動搬送サービスで適用
この保険はまず、eve autonomyが展開するサブスク型の自動搬送サービスに組み込まれ、このサービスで使用される自動運転車両に適用される。
eve autonomyは、自動運転システム「Autoware」を開発するティアフォーとヤマハ発動機の合弁会社で、保険は損害保険ジャパンがティアフォーに提供する形で、自動運転車両に適用されるという。
ティアフォーは記名被保険者として自動車保険の対人賠償や対物賠償、人身傷害、車両保険、ロードアシスタンスなどの補償を組み込む。事故時にシステム提供者が保険の事故対応をすることで、被害者の救済を迅速に実現できるという。
また事故の原因調査では、ハード・ソフトの両面から事故発生時の状況を再現して検証するようだ。
■引き続き損保ジャパンの取り組みに注目
これから社会でどんどん自動運転技術の実用化が進んでいく上で、保険会社が果たすことができる役割は大きい。引き続き損保ジャパンなどの取り組みに注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転車向けの「遠隔見守りサポートアプリ」誕生!損保ジャパンが発表」も参照。