日本国内で自動運転車の実証実験が盛んに実施されるようになる中、セーフティドライバーも乗らない本当の「完全無人」に向け、遠隔監視型で実証が行われる事例が増えてきている印象だ。
そんな中、「自動運転車向け遠隔見守りサポートアプリ」が新たに開発されたことが、2021年3月3日までに発表された。開発したのは保険大手の損害保険ジャパンとロードサービス大手のプライムアシスタンスだ。別名「SOMPO自動運転見守りアプリ」だという。
今回開発したアプリの主な機能としては、以下の4点が挙げられている。
- 複数台の走行車両に対する遠隔見守り
- 走行地点の地図情報・走行車両の位置情報の取得
- 異常検知(該当車両の特定・警告音)
- 乗客、レッカー会社等との通話
2021年1〜2月に実施された「塩尻型地域新MaaS×自動運転実証プロジェクト」では、すでにこのアプリが導入された。
報道発表では、2021年度中に機能の改善・拡充を図ることに触れられた上で、「2022年度以降に施設内、2025年度以降に公道で走行する自動運転車の遠隔見守りにおいて、実用化を目指します」としている。
■自動運転分野での保険会社の役割に注目
損保ジャパンは2018年9月、遠隔で自動運転車をサポートする拠点「コネクテッドサポートセンター」をプライムアシスタンス内に開設したり、自動運転サービスの導入を支援するインシュアテックソリューションの開発に取り組んだりしている。
自動運転サービスの導入を支援するインシュアテックソリューションは「Level IV Discovery」と呼ばれるもので、自動運転OSの開発を手掛けるティアフォー、高精度3次元地図の作製を手掛けるアイサンテクノロジーと共同で開発・提供を進めている。
自動運転分野で保険会社が今後どのような役割を担っていくか、自動運転車向けの保険商品の開発などとともに、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「自動運転車の導入支援」をパッケージ化!先進モビリティや損害保険ジャパン」も参照。