ルミナーCEO「我々の株価はこの1年の勝利を反映していない」 自動運転向けLiDARを開発

2日間で自社株を8万株購入



出典:Volco Carsプレスリリース

自動運転の目「LiDAR」を開発する米Luminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)。2020年12月に米ナスダックに上場を果たしたものの、最近は株価が低迷している。

そんな中、同社のCEO(最高経営責任者)であるAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏が自社株を購入したとの報道があった。


■「過去1年間の勝利と成功を反映していない」

証券取引委員会への提出書類によれば、ラッセル氏は2022年1月21日と2月2日の2日間で自社株を110万ドル(約1億2,700万円)で8万株を購入したという。1株当たりの平均取得価格は13.87ドル(約1,600円)。

報道では「われわれの株価は、過去1年間の勝利と成功を反映していないと考えている」というラッセル氏の言葉が引用されている。

これまでの株価の推移を振り返ると、Luminarの株式は、2021年にS&P500指数が27%上昇したにもかかわらず、株価が半分になっている。さらに2022年に入ってからはS&P500指数が5%下落したのに対し、Luminar株価は13%も下落してしまっている。

ちなみに、LiDARを開発する上場企業が軒並み下落基調にあり、下落はLuminarだけに限った話ではない。


出典:Trading View(※クリックorタップすると拡大できます)
■Luminarとはどんな企業?

Luminarは、高校在学中の17歳だったラッセル氏が2012年に設立し、2020年にナスダックに上場した。トヨタグループのTRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)やスウェーデンのボルボ・カーズ、中国の上海汽車(SAIC)などと提携していることで知られる。

2019年の同社の年間売上高は1,260万ドルだったが、2020年は1,395万ドルへと増えており、Luminarの看板製品であるLiDAR「Iris」の受注も伸びているようだ。

ちなみにLuminar製LiDARは空飛ぶクルマにも採用されており、2021年4月に航空機メーカーのエアバス子会社Airbus UpNextとのパートナーシップを発表している。

■株価低迷も注目度の高さは健在

2021年11月、米半導体大手NVIDIAは自動運転車向けの「NVIDIA DRIVE Hyperion」にLuminarのLiDARセンサーを採用したと発表した。この発表を受け、Luminarの株価は前日比で一時70%高となった。株価は低迷しているものの、同社への注目度の高さは健在だ。


Luminarの動向、そして同社の株価の推移を引き続き追っていきたい。

▼Luminar Technologies公式サイト
https://www.luminartech.com/

【参考】関連記事としては「Luminarの年表!自動運転の目「LiDAR」を開発」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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