米Applied Intuition、1.7億ドル追加調達 自動運転開発をソフト面で下支え

GM元会長など顧問に、上場間近か



出典:Applied Intuitionプレスリリース

自動運転システム開発のためのソフトウェアを手掛ける米Applied Intuitionは2021年11月29日までに、成長期のシリーズDラウンドにおいて、1億7,500万ドル(約200億円)の資金調達を実施したことを発表した。

シリーズDに参加したのは、アメリカのベンチャーキャピタル(VC)である「General Catalyst」や「Lux Capital」など。今回の資金調達により、Applied Intuitionの累計の調達額は3億5,000万ドル(約400億円)を超えたという。


■自動運転システムの開発を下支え

Applied Intuitionは自動運転システムそのものを開発しているのではなく、自動運転システムを開発しているエンジニアチーム向けに、シミュレーションソフトや検証ソフト、ドライブデータの管理ソフトなどを展開している。

本社はシリコンバレーにあり、東京や韓国ソウルにもオフィスを構えていることで知られている。提携する自動車メーカーの数も増えている。

今回の報道発表では、新たなアドバイザリーボード(顧問委員会)を設立したことも明らかにし、ゼネラルモーターズ(GM)の元CEO兼会長であるRick Wagoner氏とダイムラーAG前経営委員会会長のDieter Zetsche氏を迎えたという。

報道発表ではアドバイザリーボードについて「Applied Intuitionが自動車メーカーとの深いサプライヤー関係を構築していく上で、戦略的な指針を提供することになります」としている。


■上場に関する計画が発表される日も近い?

Applied Intuitionに関しては2021年に入り、同社が開発する自動運転システム開発のためのシミュレーションソフトウェア「Simian」が国際規格「ISO 26262」の認証を取得したことも明らかにされた。

この「ISO 26262」は、自動車システムの開発に適用される機能安全に関する標準規格で、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムなども対象に含まれる。

資金調達も順調に進み、事業拡大にも積極的なApplied Intuition。上場に関する計画が発表される日も近いのだろうか。

【参考】関連記事としては「米Applied Intuitionが「ISO 26262」の認証取得 自動運転開発などに関する国際規格」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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