香港企業センスタイムの日本法人であるセンスタイムジャパン(本社:京都府京都市/代表取締役社長:勞世竑)は2021年11月14日までに、茨城県常総市に所有している自社専用テストコース「AI・自動運転パーク」内に新たに社屋を建築したことを発表した。
今後2年間で200人以上を新規採用し、現在の3倍以上の人員規模に拡大させる予定であることも同時に明らかにした。自社の社屋と人員強化により、自動運転技術に関する研究開発機能を大幅に強化させたい考えだ。
■ワークスペース、オープンにもクローズドにも
センスタイムは外資系企業の中でも、自動運転分野で着々と日本事業を拡大している企業の1社だ。
AI・自動運転パークは、センスタイムが2017年に自動車学校跡地を購入し、2019年に開設したもので、同社専用のテストコースとして自動運転やADAS(先進運転支援システム)などの研究・開発やテスト場所として活用されている。
今回建設された社屋は、オープンにもクローズドにもできるワークスペースが採用されている。またガレージエリアを広く取ることで、雨風からテスト車両などを保護し、雨天時も研究などが続けられる環境を整えた。
■センスタイムの日本事業展開の流れは?
センスタイムは2014年に香港で設立された企業で、画像認識技術で強みを有している。自撮りカメラアプリ「SNOW」でも同社の技術が活用されている。中国スマホメーカーのファーウェイとシャオミに画像認識技術を提供していることでも知られている。
日本法人のセンスタイムジャパンは2016年1月に設立され、同年5月に東京オフィス、2018年1月に宇都宮オフィス、2019年1月に「AI・自動運転パーク」、2019年6月には京都ラボも開設した。
【参考】関連記事としては「茨城に「AIが自動運転を学ぶ学校」誕生!自動車学校跡地を活用 センスタイム日本法人」も参照。
2017年12月には、ホンダの研究開発子会社の本田技術研究所と5年間の共同開発契約を締結した。また2020年3月には、中日本高速道路(NEXCO中日本)の「CCTVカメラを用いた交通映像解析技術提案公募」において、センスタイムの技術が試行導入されている。
【参考】関連記事としては「自動運転で培った技術も!NEXCO中日本、センスタイムの技術を試行導入」も参照。
■勞世竑社長「社会課題の解決に貢献」
センスタイムジャパンの勞世竑(ろう・せいこう)社長は社屋の完成などに関し、「安全で便利なクルマ社会の実現や、過疎や高齢化による移動手段の問題などの社会課題の解決に貢献してまいりたいと思います」とコメントしている。
日本事業の拡大に積極的な同社に、今後も注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「自動運転パーク」で働ける求人案件を発見!センスタイム日本法人が募集」も参照。