2021年5月24日、LiDAR開発企業のLuminar(ルミナー)の株価が一時急騰したのをご存じだろうか。
LiDARと言えば、「自動運転の目」に相当する重要なセンサーだが、有望市場ではあるものの市場規模はまだ小さく、Luminarの株価は最近低迷していた。株価の急騰には一体どのような背景があったのだろうか。
■TeslaとLuminar「LiDAR試験で契約」との報道
Luminarの株価が急騰したのは、大手EV(電気自動車)メーカーのTeslaがLuminarとLiDARの試験・開発で契約を結んだ、とのニュースが報道されたからだ。
Teslaのイーロン・マスクCEOはこれまで、「LiDARを利用しなくても自動運転は可能だ」という発言を繰り返していた。しかしその発言とは逆をいくようにLuminarと契約したというニュースが流れたことで、Luminarへの注目度が一気に高まった。
報道を受け、ルミナーの株価は一時10%以上上昇した。ちなみにこの報道の前に、LiDARが装着されたTeslaの「モデルY」の写真がTwitterで投稿され、話題を呼んでいた。以下がそのTwitterの投稿だ。
Spotted in Palm Beach, Florida. A @Tesla Model Y with #LiDAR and CA Manufacturing (MFG) Plates. Can anyone offer details/insights? pic.twitter.com/5Uh4WU0U41
— Grayson Brulte (@gbrulte) May 20, 2021
■売り先を徐々に増やしつつあるLuminar
ルミナーは2020年12月に米ナスダック市場に上場したが、前述の通り、株価は低迷気味だ。しかし、最近はLiDARの売り先を徐々に増やしつつあり、Luminarの将来への期待感が高まっている。
2021年3月には、中国の自動車メーカーである上海汽車集団(SAIC)との戦略的パートナーシップを発表しており、2022年に量産を開始する車両にLiDARを提供する計画のようだ。
また、自動運転システムを開発しているイスラエルのMobileyeにLiDARを提供しているほか、
これまでにスウェーデンの自動車メーカーであるボルボ・カーズの次世代車両にLiDARを提供することも発表している。
このように売り先を増やし続けているLuminar。そして今回、Teslaとの契約に関する報道が流れ、Luminarが今後大躍進する兆しが見えてきた。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?自動運転の目となるセンサー、レベル3実用化で市場急拡大」も参照。