米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)は2021年1月13日までに、次世代の自動運転EV(電気自動車)の開発に向け、中国の新興EVメーカーであるNIO(ニーオ)と提携したことを発表した。
今回の提携により、NVIDIAのシステム・オン・チップ(SoC)「NVIDIA DRIVE Orin」がNIOの次世代EVに採用されることになったようだ。NVIDIA DRIVE Orinは自動運転車用のプロセッサで、1秒間に254兆回の演算能力を有している。
NIOは先日、毎年開催している同社イベントの「NIO Day」において、スーパーコンピューター「Adam」を発表した。このAdamにNVIDIA DRIVE Orinが搭載される形となり、AdamはNIOが2022年から中国市場で販売する「ET7」に搭載される予定だという。
ET7については、自動運転向けセンサーが搭載されることが発表されており、NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は報道発表で「自律走行と電動化は、自動車業界を変容させる、大きな原動力」としている。
NIOのウィリアム・リー会長は「NIOとNVIDIAが協力することにより、スマート自動車の自律走行についての開発が加速するでしょう」と自信を見せている。
■「中国版テスラ」VSテスラの市場競争が激化へ
NIOはプレミアムEVの開発メーカーとして、めきめきと頭角を表している。現在の月間の販売台数は5,000台程度でテスラに比べると10分の1程度だが、すでにニューヨーク証券取引所に上場し、株価もテスラを上回るスピードで上昇している。
NIOがNIO Dayで新たに発表したET7には新たな150kwのバッテリーを搭載することも発表され、連続走行距離という面でも注目を集めた。そしてNVIDIAの自動運転車用プロセッサを搭載させることで、自動運転技術の面でも業界からの関心がさらに高まる結果となった。
今後、「中国版テスラ」と呼ばれるNIOとテスラの市場競争は、ますます激しいものになっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「Teslaの株価8倍を上回る「13倍」のNIO、新EV発表!自動運転センサー搭載」も参照。