中国の電気自動車(EV)メーカーであるNIO(ニーオ)は2021年1月11日までに、新たにラグジュアリーセダン「ET7」を発表した。販売開始時期は2022年初旬となる見込みだ。ET7には自動運転向けのセンサーなどが搭載されるという。
NIOは「中国版テスラ」とも呼ばれる新興EV企業で、上海を拠点に事業活動を行っている。中国の大手IT企業テンセントから出資を受けていることでも知られる。
ET7には最新のバッテリーパックが搭載される見込みで、報道発表によると、最大で621マイル(約1,000キロ)走行可能な性能を有するという。テスラのモデルSは最大402マイル(約650キロ)で、それの上をいく格好となる。
■販売台数はまだまだテスラに及ばないものの
NIOは事業規模はまだまだテスラには及ばない。2020年10月の新車販売台数は5,000台程度である一方、テスラは2020年に月平均で4万台を販売している。ただ、販売台数は2020年10月時点で8カ月連続で増加するなど、勢いはテスラに負けていないものがある。
こうした成長を受け、株価の伸びはどうか。NIOはニューヨーク証券取引所に上場しており、2020年の年初(1月2日)の株価は3.72ドルだったが、2020年の取引最終日(12月31日)には48.74ドルまで伸びている。つまり実に13倍に株価が上がったことになる。
テスラもこの期間に株価を8倍に伸ばしたが、株価の伸び率ではNIOに軍配が上がる。
■自動運転技術での両社の開発競争に注目
EVの販売台数の伸びや株価の伸びだけではなく、自動運転技術の競争でも今後両社に注目が集まっていきそうだ。現在のところ、NIOもTeslaも自動運転レベル3(条件付自動運転車)では車両を発売していないが、両社ともに研究開発に注力している。
ちなみにNIOは、インテル傘下のMobileyeが開発する自動運転向け画像処理チップを研究開発で使っていることが知られているが、同社のCEO(最高経営責任者)は将来的にチップも自社開発する可能性を過去に示唆している。
NIO vs Teslaの行方がどうなっていくのか、今後に注目だ。
【参考】関連記事としては「年60%成長も夢じゃない!?「自動運転」テーマの投資信託、どんな銘柄に投資している?」も参照。