ドイツの自動車部品メーカー大手コンチネンタルは2020年11月16日までに、LiDAR(ライダー)のスタートアップである米AEyeへの部分出資について発表した。
コンチネンタルのLiDAR部門を拡充し、将来有望なLiDAR市場におけるシェア争いを有利に進める狙いがあると考えられる。
■提携「両社にとって非常に強み」
2013年に創業したAEye社は、乗用車にも商用車にも活用可能な自社製LiDAR「AE100」を開発していることなどで知られる。高い動的空間分解能のほか、長距離検知に優れていることなどが特徴だ。
コンチネンタル側は今回の提携について「最先端のLiDARセンサー技術で車両の周囲環境全体をカバーし、乗用車・商用車の両方でSAE(自動車技術会)レベル3以上の自動運転を実現していく流れの中で、この提携は両社にとって非常に強みになる」とコメントした。
報道発表によると、コンチネンタルはAEye社のLiDAR技術を活用して新たな車載センサーの開発を進め、2024年末ごろから新センサーの量産を開始する予定のようだ。
■有望なLiDAR市場、新興企業も続々
自動運転の「目」とも言われるLiDARの市場は、自動運転車の拡大とともに急拡大すると予測されている。調査会社の矢野経済研究所の2018年の調査によると、LiDARやレーザーの市場規模は2017年の約25億円から2030年には約4,959億円まで約200倍に急拡大する見込みだ。
そんな中、この市場の有望性に着目し、近年多くのLiDARスタートアップやLiDARベンチャーが生まれている。AEye社もそうした企業のうちの1社だ。そしてAEye社のように大手部品メーカーなどから出資を受けるケースも最近は目立ってきている。
■【まとめ】コンチネンタルとAEyeのシナジー効果に期待
コンチネンタルはLiDAR領域において20年以上の実績がある。今回の部分出資により、AEye社の最新技術とコンチネンタルのノウハウを組み合わせたシナジー効果に期待がかかる。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?自動運転の目となるセンサー、レベル3実用化で市場急拡大」も参照。