株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区/代表取締役社長:谷崎勝教)=日本総研=は2020年11月16日までに、ラストマイル自動移動サービスの早期実装を目指す事業者などを支援することを目的に「RAPOCラボ(Risk Assessment Process Of Community-Vehicle Lab)」を設立した。
いまの日本社会は人口減少と高齢化が進み、近距離の移動に課題を抱える人が増加している。そんな中、居住地域や近隣地域などのラストマイル(ラストワンマイル)において、気軽に移動できるサービスの誕生が待ち望まれているものの、このようなサービスは運行範囲が狭いことから収益を伸ばしづらい。既存のバス会社なども苦戦が続く。
そんな中、自動運転車を活用した移動サービスはコストの低さや人手があまり必要ないことから、ラストワンマイルで継続的に運行できていくようになることが期待されている。RAPOCラボはこうした観点で、ラストマイル自動移動サービスの早期実現を目指して設立されたようだ。
■「知見を持ち寄り、協調して検討」
報道発表ではRAPOCラボについて「ラストマイル自動移動サービスを全国の各地域で運営する際に必要なノウハウについて、様々な業種の民間事業者が知見を持ち寄り、協調して検討するために設立されました」と説明されている。
活動期間は2020年11月4日〜2021年3月31日で、2021年度以降はRAPOCラボで推進するラストワンマイル自動移動サービスの安全性確保のフレームワークに基づき、安全性を効率的に評価するウェブシステムの開発を進めるという。
さらにそのウェブシステムを活用してラストワンマイル自動移動サービスを全国で実装すべく、運営団体の設立も目指すという。
RAPOCラボのメンバーには、あいおいニッセイ同和損害保険やNTTデータ、沖電気工業、神姫バス、大和自動車交通、復建調査設計、BOLDLY、みちのりホールディングス、みなと観光バスなどが名を連ねている。
■協業の流れが加速、切磋琢磨の活発化に期待
こうしたモビリティ業界での存在感が大きい企業横断型組織としては、JR東日本が2017年に設立した「モビリティ変革コンソーシアム」や、MONET Technologiesが2019年に設立した「MONETコンソーシアム」がある。
このほか、政府系では「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の自動運転組織もあり、近年、自動運転に関しては協業しつつ取り組みを進めていこうという流れが目立ち始めている。
そんな中でのRAPOCラボの設立だ。多様な企業が知見を持ち寄り、さらに切磋琢磨も活発化することが期待される。
【参考】関連記事としては「自動運転とは?2020年にレベル3解禁、基礎知識を徹底まとめ!」も参照。