DMG森精機とNTTコミュニケーションズは2020年5月31日までに、無人搬送車に人協働ロボットを搭載した「自律走行型ロボット」(AGV)の遠隔操作をローカル5Gを活用して行う共同実験を、2021年4月までの期間で実施すると発表した。
ローカル5Gとは、企業や自治体が自ら構築する「自営の5G」のことだ。5Gと同様に「超高速」「多数同時接続可能」「低遅延」などの特徴がある。
■高まる生産現場での自動化のニーズ
DMG森精機は、計測や稼働監視、センシング機能などのデジタルソリューション開発を手掛けている。
近年は生産現場で自動化のニーズが高まっているといい、同社は「ローカル5Fを用いてAGVの稼働実験を行うことで、当社製品の高機能化の実現に期待をしています」としている。
実証実験では、DMG森精機の三重県伊賀事業所内でローカル5Gネットワークを構築し、生産現場におけるローカル5Gの電波伝搬・通信品質の調査・測定や、ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作を検証する。
DMGが実験場所の提供やアプリケーション試験の実施、ローカル5G活用ユースケースの検討を、NTTコミュニケーションズが実験試験免許の申請、ローカル5Gの設備設計、構築、運用や電波伝搬試験および通信品質試験の実施などをそれぞれ担当する。
■着実に進む自動化による省人化
いま日本においても、AGVを活用した工場の自動化が進んでいる。「完全無人工場」が当たり前になる時代はもう少し先だが、自動化による省人化は着実に進んでいる。
両社は今後、複数のAGVや設備をつなげることなどにより生産効率の一層の向上が可能なソリューション開発に共同で取り組んでいく考えのようだ。
【参考】関連記事としては「無人倉庫の鍵は「自動運転ロボット」 世界と日本の最新状況まとめ」も参照。