半導体大手の蘭NXP Semiconductorsの日本法人NXPジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役:山口純史)は2020年5月31日までに、自動運転やMaaSなどの革新を推進する企業横断型組織「MONETコンソーシアム」に加盟したことを発表した。
MONETコンソーシアムはソフトバンクとトヨタなどの共同出資会社であるMONET Technologiesが設立した団体で、業界や業種を超えてMaaSの事業開発を推進し、移動の社会課題解決を目指した活動を行っている。
2020年5月29日時点でMONETコンソーシアムへの加盟企業は557社となっており、運輸業や自動車メーカーだけでなく、建設、教育、ヘルスケアなどの様々な業種が加盟している。
NXPジャパン社は、車載半導体メーカーとしてのいち早い参画で、自動運転の基幹となる半導体ソリューションなどをMONETコンソーシアム参画企業に広く利用してもらい、より現実の課題に即したソリューションとして普及をはかりたい考えだ。
■自動運転のソリューション・メーカーを目指して
NXP Semiconductorsは独インフィニオン、日本のルネサスエレクトロニクスなどと車載半導体のトップメーカーとして熾烈な競争をしつつ、デバイスやソフトウェアと組み合わせたより使いやすいソリューションを市場提供することに力を入れている。
自動運転用の車載コンピュータ「BlueBox」や電気自動車・ハイブリッド車の開発プラットフォーム「GreenBox」といったソリューションがその一例だ。
他社との協業も積極的に行っている。2019年1月には超並列プロセッサを提供する仏Kalray社と安全・信頼性の高い自動運転プラットフォームを開発していくことでパートナーシップを発表した。
2019年3月には米ソフトウェアベンダーのGreen Hills Softwareと自動運転アプリケーションの開発にむけたパートナーシップを発表するなど、ハードウェア、ソフトウェア両面からの自動運転に向けた協業を本格させている。
長年培ってきた「車載半導体」という強みを核にしつつ、周辺業種、異業種へとつながりを広げる活動が、今回のMONETコンソーシアムへの参画にもつながっている形と言えそうだ。
【参考】関連記事としては「MONETコンソーシアム、加盟企業が500社突破 進むトヨタとソフトバンクの仲間作り」も参照。