将来的なエアモビリティ時代を見越し、住友商事株式会社(本社:東京都千代田区/ 最高経営責任者:兵頭誠之)は2020年4月22日までに、無人機管制システムを開発する米OneSky Systemsに出資したことを発表した。
米OneSky Systemsは、無人航空機(UAV)の安全航路設定や衝突防止に必要な無人機管制システムの開発・販売を手掛けている企業だ。エアモビリティ時代に多くの無人航空機(UAV)が飛び交うことを考えると、OneSky Systems社の手掛ける無人管制システムは重要な役割を占める。
住友商事は2020年1月、大手ヘリメーカーの米Bell Helicopter Textronや日本航空とエアモビリティ分野における業務提携を締結した。今回OneSky Systemsへ出資したことも考慮すると、この領域に一層力を入れていく方針であることが分かる。
ちなみに報道発表によれば、住友商事はBell Helicopter Textronが開発するエアモビリティによるサービス展開を検討しており、アジアを中心に2020年代半ばの実用化を目指しているという。
【参考】関連記事としては「JALと住友商事、「空飛ぶクルマ」サービス提供へ米Bellと提携」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 15, 2020
■「空飛ぶクルマ」などのエアモビリティはいつごろ実現?
「空飛ぶクルマ」などのエアモビリティは日本国内だけでも実証実験が続々と行われ、既に「実現できるのか」ではなく「いつ実現するのか」というフェーズに既に突入している。
法整備や社会受容性の向上などの面で課題も残っているものの、物資輸送や災害救援、観光など幅広いシーンでの活躍が見込まれているだけに、各業界からの期待感も大きい。
日本では「空の移動革命に向けた官民協議会」によって空飛ぶクルマの実用化に向けた議論が進められている。2018年12月にはロードマップの素案を発表され、2023年の事業化、2030年代からの事業の拡大が目指されている。
国内企業としては、空飛ぶクルマを開発するSkyDrive社などの取り組みが目立つ。2019年12月から有人飛行試験に取り組み、既にさまざまな技術検証を進めている。同社は空飛ぶクルマの実用化目標を2023年と据えている。
こうした官民の動きをみていると、toC向け(一般向け)サービスとしての普及には一定の時間は掛かるものの、2020年代におけるエアモビリティの実用化はほぼ確実のように感じる。
■「空のインフラ」を見据えた住友商事の出資
エアモビリティはいま世間で思われている以上に早く実現する。そのため多くのエアモビリティが安全に飛行するための無人機管制システムなどの「空のインフラ」は、急ピッチで整備が進められていく必要がある。今回の住友商事の出資も、こうした点を見据えた上でのことだろう。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。