中国の自動運転スタートアップ企業Momenta(モメンタ)は2020年3月22日までに、自動運転向け高精度地図に関して日本のトヨタ自動車と提携したと発表した。
トヨタが開発を進める「自動地図生成プラットフォーム(AMP)」の商業化を中国で支援するため、モメンタが高精度地図に関する技術を提供するというスキームのようだ。
トヨタが開発を進めるAMPは地図データを更新するためのプラットフォーム。AMPで更新される高精度地図と車両に搭載したセンサーで収集したデータを組み合わせれば、自動運転車の位置の正確な特定につながる。
■これまでのモメンタの自動運転領域での取り組みは?
モメンタは2016年に中国・北京で設立され、ディープラーニング(深層学習)技術を駆使して自動運転関連ソフトウェアの製品化に取り組んでいる。特に画像認識・判断の領域を強みとし、ポジショニングマップの分野でも高い評価を得ている。
2018年10月には、投資家や政府系基金団体から10億ドル(約1150億円)の資金調達を発表し、ユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)の仲間入りを果たした。自動車メーカーだとトヨタのほかに独ダイムラーからも支援も受けている。
既に自動運転レベル3の自動運転ソフトウェア「Mpilot」や、レベル4を可能にする無人運転技術MSD(Momenta Self Driving)もリリースしており、北京などで自動運転車の実証実験にも取り組んでいる。
モメンタはまだ歴史が浅い企業ではあるが、大手企業との提携や大型出資を受けたこともあり、世界の自動運転業界において勢いのある企業の一社だ。そして今回のトヨタとの提携により、さらにモメンタの存在感が高まったと言える。
【参考】関連記事としては「「AI自動運転×中国」による天変地異!スタートアップも続々、実用化目前」も参照。