トヨタ自動車グループの自動車部品大手である株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市/取締役社長:有馬浩二)は2019年12月16日、「車両向けセキュリティオペレーションセンター」(車両SOC)の実現に向け、NTTコミュニケーションズとともに技術検証を開始すると発表した。
両社はこれまで車両SOC技術の実用化に向けて2017年から技術開発を進めてきた経緯があり、今後は実験車に実際にさまざまなサイバー攻撃を仕掛け、SOCでどれくらい攻撃を検知できるかやその影響などを分析するようだ。
同社は「さまざまな事象への対応シミュレーションを繰り返すことで、さらなる技術向上を図ります」とした上で、「より安心・安全なモビリティ社会の実現に貢献することを目指します」と報道発表で述べている。
■コネクテッド化に伴うリスク
日本を含む世界で自動車のコネクテッド化が加速している。自動車がネットワークとつながることで、渋滞情報や事故情報などをクラウドを通じて共有できるほか、車両を自動運転化させるためにも通信機能を搭載させることは不可欠だ。
ただ通信機能を持たせるということは、それだけサイバー攻撃やハッキングへのリスクが高まるということも意味する。イスラエル企業のカランバ・セキュリティ社の調査によれば、既に自動運転機能を搭載したやコネクテッドカーへのサイバー攻撃は世界で多数の例があるという。
調査会社の富士経済によると、2035年ごろには世界で販売される新車の90%以上がコネクテッドカーになる。こうした将来を見据え、デンソーやNTTコミュニケーションズは今からセキュリティ関連技術の開発に余念がないわけだ。
【参考】関連記事としては「コネクテッドカー・つながるクルマとは? 意味や仕組みや定義は?」も参照。
「つながるクルマ」…基礎から各社開発進捗まで解説&まとめ AI自動運転にも欠かせない通信技術、トヨタ自動車や日産の参入|自動運転ラボ https://t.co/bDjF770hJC @jidountenlab #つながるクルマ #コネクテッドカー #まとめ
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 29, 2018