モビリティ分野のPR、オウンドメディア運営が武器に!ストロボが新サービス開始

下山代表が語る「オンラインシフト」の在り方



撮影:自動運転ラボ

100年に1度と言われる大変革の時代を迎えているモビリティ業界。コネクテッド、自動運転、シェアリング・サービス、電動化といったCASEの波が押し寄せ、開発や製造、販売などの各現場に変化をもたらすとともに、異業種との結び付きを強めビジネス領域を拡大している。

一方、この変化と共鳴するかのように社会全体に押し寄せているのが、IoTをはじめとしたデジタルシフトの波だ。モビリティ業界では今どのような変化が起き、どのような対応が求められているのか。


今回は、自動運転ラボ主宰者でデジタルマーケティング事業を展開するストロボ代表の下山哲平氏にインタビューし、このほどサービス提供を開始した「モビリティ領域特化型オウンドメディア・コンテンツ制作サービス」についても話を聞いた。

■マーケティングの場が「オンライン」に徐々にシフト
Q モビリティ領域においてもデジタルシフトが加速する中で、従来型のマーケティングの手法は時代遅れになりつつあります。今後はどのような視点が求められるでしょうか。

「先進モビリティ領域」といった新しい分野におけるマーケティングの場が、展示会やショーなどの「オフライン」ではなく、「オンライン」に徐々にシフトしています。

デジタル化の波だけではなく、自社の技術や情報などをアピールできる場がオフラインの展示会だけだと心もとないと考えている企業がいることも、背景にあります。


そのため、企業はクライアントやメーカーにアピールするために、自ら情報や技術を発信する自助努力をしなければいけません。その策として、自社で運営する「オウンドメディア」が今注目を集めています。

Q モビリティ業界の企業がオウンドメディアを展開する上での課題は?

一般的に企業がオウンドメディアを運営を始める際には、オウンドメディアの運営やコンテンツ制作の支援サービスを展開している企業の力を借ります。ただし、先進モビリティという分野は専門性が高い分野です。そのため、支援サービスを展開している企業であっても、この分野に詳しい人材がいなければ、先進モビリティをテーマにしたメディア制作に対応できないことが課題となっています。

SEO(検索エンジンの最適化)的観点からみた課題もあります。次世代モビリティは、ヒトやモノを含めた「移動」の深化という社会性の高いテーマを扱うので、マクロ的に広範な知識を有した監修者によるコンテンツの精査が不可欠です。そして監修者がいないコンテンツはSEO的観点からもあまり評価されにくいため、Googleなどの検索サイトで上位にはなりません。ただし、先進モビリティの分野で監修者になりえる人材は、国内ではほとんどいないのが現状です。

出典:ストロボ社プレスリリース
■「自動運転ラボ」の運営で得られた知見とSEOに強み
Q オウンドメディア運営に前述のような課題がある中、御社は新たに「モビリティ領域特化型オウンドメディア・コンテンツ制作サービス」を開始しました。ずばり御社の強みとは?

弊社は、日本国内で自動運転やMaaS関連における業界最大級メディアとして「自動運転ラボ」を運営しており、自動運転やMaaSにおける様々な技術や分野の膨大なコンテンツも製作しています。こうした得た知見が、モビリティ領域における他社のオウンドメディア立ち上げを強力に支援できる大きな原動力となり、監修者としての役割も果たせます。


また自動運転ラボの運営を通じて、どのような企業がどのような技術やサービスを欲しているのかという潜在的なニーズの把握にも努めており、オウンドメディアを通じて自社の製品やサービスをアピールしたい企業に対して、ビジネスモデルの設計やターゲット層の設定などに関して助言をすることも可能です。

また、SEO関連のノウハウを持っていることも強みの1つです。弊社は先進モビリティ分野のほか、ヘルスケアや金融、美容、医療、ITなどの高い専門性が求められる分野においても、さまざまな大手企業のオウンドメディア運営を支援しており、検索サイトからの高い流入率の実現ですでに豊富な実績があります。

Q こうしたストロボの強みを武器に展開を開始した新サービスの具体的な中身について教えて下さい。

自動運転やMaaSを含む先進モビリティ領域におけるオウンドメディアの運営やコンテンツ制作のほか、ブランディングやプロモーションを目的としたデジタルマーケティング支援などまでワンストップで提供するサービスです。

例えばコンテンツ制作においては、前述のように弊社は自動運転ラボを運用しているため、(オウンドメディアの運営企業の)将来のクライアントになり得る読者のニーズをよく理解しています。そのため、コンテンツ制作において「もっと続きが読みたい」「カタログを請求したい」と思ってもらえるよう、どのような切り口が最適かを予想し、戦略的にコンテンツを企画・制作することができます。

■「自動運転ラボ」との連携で、品質・スピード・成果を全両立
Q 「自動運転ラボ」とのタイアップも今回の新サービスにおける目玉の1つとなっています。こうした連携スキームを打ち出した狙いを教えて下さい。

「先進モビリティ」というテーマは日進月歩です。そのため、新たに開発した製品や技術であったとしても、市場で高く評価される期間は決して長期には続きません。そのため開発企業側は、売り込みたい製品や技術の露出をすぐに高めて認知度を広げ、ローンチから短期間で売上や供給契約などにおいて一定の成果を出したいというのが本音です。

そのようなニーズに応えるために弊社が提供する独自の方策の1つが、「自動運転ラボ」と企業のオウンドメディアとの連携・タイアップです。この方策により、コンテンツの品質とともに認知獲得スピードや集客・PR効果も全両立できます。

通常、オウンドメディア側でSEOの効果が出てくるまでには一定の期間が必要ですが、自動運転ラボで企業側の記事コンテンツを掲載するような連携スキームを組めば、瞬間的に高いトラフィックを獲得することが期待できます。つまりオウンドメディアの「助走期間」においても、自動運転ラボとの連携で成果を出していけるというわけです。自動運転ラボとの連携はオウンドメディアへの送客にもつながっていきます。

■インタビューを終えて

社会のデジタル化をコロナ禍が加速させている面もあるが、あらゆるモノがつながるIoTはコロナ収束後も浸透し続け、世の中のデジタルシフトは継続されていく。マーケティングも然りだ。

ただし前述の通り、異業種含め新規参入が相次ぐ先進モビリティ分野において効果的なマーケティングやオウンドメディアを展開するには、相応の専門性が求められる。そんな中でストロボが新たに展開を開始したサービスは、こうした課題のソリューションとして機能していく。

自動運転ラボが保有する情報やネットワークと、ストロボが保有するデジタルマーケティングのノウハウの組み合わせは非常に強力だ。

下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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