自動運転時代は「時速40km」制限——その納得がいく理由

全米都市交通局の斬新な視点





出典:Blueprint for Autonomous Urbanism Second Edition

昨日公開した「これ凄い…自動運転時代、「ナナメ横断」どこでも可能に」という記事に引き続き、「Blueprint for Autonomous Urbanism Second Edition」という全米都市交通局(NACTO)の資料から、斬新な視点を紹介したい。

このNACTOの資料では、自動運転時代には市街地における自動運転車の最高速度を「時速25マイル(約40キロ)以下」にするべきだとしている。その理由としては、自動車による事故では自動運転時代になっても、「速度」がけがの程度に大きく影響することは変わらないことを挙げている。







確かにその通りだ。しかも自動運転時代になればシステムが速度を制御するため、スピード超過に人間の「故意」が介入する余地が無くなる。

自動運転時代にはAI(人工知能)が死亡事故を防いでくれると考えている人もいるかもしれないが、車両が自動運転化しても事故は完全には防ぎ切れない。制動距離と物理的限界が関係してくるからだ。そうであればなおさら、「死者ゼロ」に向けたこうした視点は重視されるべきだ。

【参考】関連記事としては「AI自動運転「死者ゼロ」は幻想か 制動距離と物理的限界」も参照。

しかし、最高時速を低く設定することで、移動効率や配送効率が下がるのでは——という懸念を持つ人もいるだろう。ただその心配はない。

車両の自動運転化やコネクテッド化によって車両同士の連携が進めば、渋滞は軽減される。全車両が道路管制センターと接続すれば、信号機も最適化される。そのため制限時速を低くしたとしても、移動効率の低下などは十分補えると考えられている。

【参考】関連記事としては「AIが「赤信号」の秒数を最適化…それがコネクテッド時代」も参照。

こうした点を考慮すれば、最高速度を「時速25マイル(約40キロ)」にするべきだというNACTOの考え方は納得がいくものであると言える。自動運転時代が到来することは、「低速時代の幕開け」と言い換えることができるかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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