自動運転技術の開発にも力を入れている中国のネット検索大手の百度(バイドゥ)は2019年7月9日までに、同社が開発する自動運転車両の都市部における走行距離が通算で200万キロを突破したと発表した。
中国国内の13都市における実証実験などを通じ、この走行距離数まで積み上がった。中国政府は最近、百度に実証実験のための「T4」ライセンス(※SAEの自動運転レベル4に相当)を付与しており、今後ますます走行距離を重ねるものとみられる。
ちなみに自動運転タクシーの商用サービスを提供しているウェイモは既に2018年10月時点で通算で1600万キロを突破していると発表しているが、ウェイモが公道テストを2009年に開始したのに比べ、百度の自動運転開発がまだ浅いことを考えれば、200万キロは注目すべき数字だと言えそうだ。
百度については、2019年下半期にも自動運転タクシーの商用サービスを100台規模で開始するという報道もある。ちなみに走行距離については、百度が北京で開催したAI(人工知能)開発者向けの年次カンファレンスで発表された。
■走行距離ではなく「実施エリア数」も重要
自動運転向けのソフトウェア開発は、仮想空間での走行シミュレーションと公道での実証実験を組み合わせながら進めるのが一般的だ。中国政府は自動運転の技術力の向上を積極的に支援しており、欧米や日本に比べて技術開発の観点からは有利な環境にあると指摘する専門家も少なくない。
今回のニュースでは「13都市」で自動運転の走行実証が行われた点にも着目すべきだと言える。自動運転の実際に実用化をする際には各都市でその前にそれぞれ実証実験を行っておく必要があるため、1都市よりも2都市、5都市よりも10都市というように、将来に向けて実証実験が実施されている都市は多いに越したことはない。
日本国内では自動運転スタートアップの株式会社ティアフォーが約80億円の資金調達を先日発表したが、自動運転の取材によれば、同社は調達した資金で実証実験のエリアを拡大していくことに力を入れていくようだ。
同社は既に日本国内において18都道府県46市区町村62カ所で公道実証を実施しており、この実証実験の実施エリアを10倍程度に増やす方針を示している。
【参考】関連記事としては「特区内でOK!中国政府、初の自動運転「T4」認可を百度に付与 レベル4相当」も参照。
特区内でOK!中国政府、初の自動運転「T4」認可を百度に付与 レベル4相当 https://t.co/9F25vs8idk @jidountenlab #自動運転 #中国 #ライセンス
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) July 3, 2019