グーグル系ウェイモが2019年1月22日、自動運転車両を「生産」する工場を建設すると発表した。しかし自動車をゼロからつくるわけではなく、既存の車両に自動運転ソフトウェアを搭載させる「改造」がメインだ。やはり、自動車の生産はメーカー、ソフトウェアの開発はIT企業、という棲み分けは今後も続くのだろうか…。
答えは「否」だ。自動車の生産もソフトウェアの開発も両方手掛けようとしている企業がある。米シリコンバレーのスタートアップ企業であるZoox(ズークス)だ。Zooxは市場価値3500億円とも言われる注目企業の一つで、2020年ごろから自動運転タクシー向けの車両の生産を自社で開始する計画を立てている。
こんな大風呂敷を広げていた同社だが、2018年8月に創業者のティム・ケントレイ・クレイ最高経営責任者(CEO)が突然解任され、その後の事業展開が一部からは不安視されていた。スタートアップの成長は、ときに強権的な創業者の手腕によって成されるからだ。
しかしそんな不透明感も最近になって消えたとの声も聞こえてくる。インテル勤務時代に1万人近くの巨大組織を率いた伝説の女性Aicha Evans氏(スタンフォード大出身)が新たな女性CEOとして加入したからだ。Zooxの社員数は既に1000人近くに上っており、実はこうした人物の登場が待ちわびられていた。
「Googleは所詮改造だけでしょ…?」。Aicha Evans氏はグーグルの「自社工場」の建設発表の話題を、今ごろ鼻で笑っているかも。
【参考】関連記事としては「AI自動運転タクシー開発のZoox、CEOが電撃解任 アメリカ・シリコンバレー屈指のスタートアップ エンジニア採用を加速中の矢先」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) November 12, 2018