自動運転システムなどに使われる電子機器には「絶縁樹脂」が使われている。その絶縁樹脂の放熱性を高めることは、通信やデータを高速処理する必要がある昨今において、業界における大きな課題とされてきた。その課題に真っ正面から取り組んでいるベンチャー企業がある。名古屋大学発の株式会社U-MaP(本社:愛知県名古屋市/代表取締役CEO:西谷健治)だ。
同社は、絶縁樹脂に充填することで放熱性を高める「AlN(窒化アルミニウム)ウィスカー」の高効率大量合成手法の確立に成功した。2018年9月13日には、日本ベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都千代田区/代表:奥原主一)から数千万円の資金調達を実施したことを発表。今回調達した資金をもとに製造コストを下げ、製造量を増加させるためのパイロットラインの構築を進めていくという。
報道発表によれば、素材の加工技術開発や二次製品開発への体制強化も進める。AI(人工知能)技術を用いた条件最適化によって、製造効率の向上にも取り組んでいくようだ。AlNウィスカーはモバイル端末や高輝度LED、データセンターなど幅広い分野でも活用可能で、軽量化や柔軟化も進めていくという。
U-MaP社は名古屋大学の研究者が中心となって2016年12月に設立。社名には「究極の材料と加工技術による技術革新を通して、 社会に新しいソリューションを提供する(Ultimate Material and Processing)」という思いが込められている。資本金額は2675万円。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 17, 2018