スイスの半導体メーカー・STマイクロエレクトロニクスは2018年8月1日、自動車の正確な測位と制御をサポートする新しい車載用MEMSセンサー「ASM330LHH」を発表した。推測航法アルゴリズムにより、衛星信号の受信が途切れた場合でも正確な位置を計算できる。
車載用6軸モーション・センサーのASM330LHHは、先進的な車載ナビやテレマティクス・システムにおいて、超高精度のモーション・トラッキングを実現する。自動運転には自動車の継続的かつ正確な位置情報が必要だが、同製品のセンサ・データを利用することで、衛星信号の受信が困難な高層ビル群やトンネル内、地下、駐車場、山林などにおいても測位できる。
【参考】詳しくは同社のプレスリリース「自動車の正確な測位と制御をサポートする新しい車載用MEMSセンサを発表」も参照。
■電子料金徴収システムへの応用も可
また、低ノイズで温度安定性に優れているため、電子料金徴収システムや遠隔診断、eCall(緊急通報システム)アシスタンスなど、高い信頼性が要求されるテレマティクス・サービスも可能にしている。6軸モーション・センサーが検知する高精度の慣性データは、先進的な自動運転システムの要求にも対応しているという。
このほか、最高105℃の動作温度範囲により柔軟性が向上し、自動車のルーフに設置されたスマート・アンテナ内部やエンジン・ルーム近辺など、高温になる場所への電子制御ユニットの設置が可能で、超低ノイズにより測位をセンサーのみに依存する場合でも積分誤差を最小化し優れた測定分解能を実現している。
同製品は今後、自動車メーカー各社が発売するさまざまな自動車に純正品として搭載される予定。
【参考】自動運転車にはさまざまなコアセンサーが必要とされる。位置特定のためのセンサーのその一つだ。詳しくは「自動運転の最重要コアセンサーまとめ LiDAR、ミリ波レーダ、カメラ|自動運転ラボ 」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 3, 2018