企業コンサルティングを手掛ける株式会社リスキーブランド(本社:東京都渋谷区/代表:田崎和照)は2019年3月31日までに、約5000人の男女を対象としたアンケート調査結果を分析した「消費者心理から分析した4つのMaaS有望市場」を発表した。
MaaSとは「Mobility as a Service」(モビリティ・アズ・ア・サービス)の略で、複数の交通手段をシームレスに利用して移動する概念の事を指す。海外を中心に普及が進み、国内でも官民問わずに実用化に向けた動きが活発化している。
MaaSの普及については、技術の進化に着目して紹介されることが多いが、この分析は消費者の心理面からMaaSの在り方を検討するために実施された。消費者の考え方を5つに分類し、そのうちの4つをMaaSとマッチする有望市場とし、ユニークなネーミングをつけて考察をおこなっている。
■4つのMaaS有望市場
1つ目の市場は「シェアでクールに」(シェアリングサービスが軸となる市場機会:構成比25%)。40代以下の若い男性が多く、スマホアプリやAIサービスをよく利用し、クールなデザインを好む。「シェア」を時代を先取りするスタイルとしてとらえ、シェアリングサービスを牽引する原動力になるという。
2つ目は「少し贅沢に」(快適な気分の提供が主軸となる市場機会:構成比22%)で50代以上の男女に多く、収入が高く、リッチな気分になれるサービスを求める傾向があるという。AIを活用したストレスのない移動を提供することが、この市場を攻略するカギとなる。
3つ目は「ノマドのように」(自由や解放感を軸とした市場機会:構成比16%)で、年齢層に関係なく一人旅や読書が好きな人が多いのが特徴だ。この層は旅先での思いがけない出会いや、土地のさりげない日常に触れることを好むため、移動による体験の提供が重要になるという。
4つ目は「計画的に賢く」(合理性と快適性のベストバランスが軸の市場機会:構成比15%)。この層は40代までの若い女性がメインで、計画を立てて旅行することが多く論理的な思考をする人が多い。割引やクーポンなどを用意し、合理的な価格でのサービス提供が求められる。
■近づきつつあるMaaS社会の実現
このような分析が行われるようになったということは、MaaSの社会実装が近づきつつあるということの表れだろう。市場に見合った便利な移動サービスが誕生するのが楽しみだ。
【参考】関連記事としては「MaaSとは? 読み方や意味・仕組み、サービス・導入事例まとめ|自動運転ラボ」も参照。
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