自動運転車による食料品の無人販売サービスが、アメリカで数年以内に実現しそうだ。ある連続起業家が立ち上げた「Robomart」プロジェクトが、いよいよ米カリフォルニア州で試験運用を開始する。
Robomartプロジェクトを手掛けるのは、連続起業家のAli Ahmed氏が2017年11月に設立したロボマート社(本社:米カリフォルニア州)だ。2018年1月にラスベガスで開催された世界最大の技術見本市「CES」で注目を集め、その後の展開が注目されていた。
【参考】報道などによると、Ali Ahmed氏は10年前からこの事業構想を温めていたとされる。Ali Ahmed氏はオランダとイギリスに本拠を置く一般消費財大手ユニリーバに勤めていたころにアイデアを思いつき、起業家としてはコンテンツのシェア事業やオンデマンドコンシェルジュ事業を手掛けたあと、投資家らに見初められて現在の事業を開始したようだ。
利用者が専用アプリで電気自動車(EV)仕様のRobomartを呼ぶと、Robomartは無人の完全自動運転で利用者の家の前などまでやってくる。品物は車内のラックに陳列されており、客は50~100種類の商品の中から買い物をすることができる。車両には野菜や生鮮食品用の冷蔵システムも備えられるという。
支払いはアプリに事前登録した銀行口座を使って自動決済される。Robomartに取り付けられたコンピュータビジョンが何を購入したかを判別し、決済が行われるという。
報道などによると、Robomartは時速約40キロほどで走行することができ、連続で130キロを走行可能という。近くにスーパーマーケットがない過疎地などでの活躍も期待されている。
【参考】アメリカではスーパー大手クローガーが、自動運転車を活用した無人配達サービスを開始する予定であることを明らかにしている。2017年創業の米スタートアップ企業Nuroが導入に協力している。詳しくは「米スーパー大手クローガー、自動運転車で無人宅配へ 元Google技術者のスタートアップが協力|自動運転ラボ
■日本でもトヨタとセブンイレブンが事業展開目指す
また日本でもトヨタとセブンイレブンが、無人の自動運転による移動型コンビニエンスストア事業への参入に意欲を示している。
移動や物販など多目的に活用できるトヨタのモビリティサービス(MaaS)専用次世代EV「e-Palette(イー・パレット)」が活用され、2019年秋にも運用開始したい考えとみられている。