フェラーリが時代錯誤?「自動運転させない」宣言

超高級車とは相容れない?



自社初のBEV「Luce(ルーチェ)」を発表し、話題を集めるイタリアの自動車メーカー・フェラーリ。時代の変化に合わせ、ついにエンジンのない跳ね馬を市場に送り出すこととなった。


一方、自動運転技術に関しては、同社CEOのベネデット・ヴィーニャ氏がメディアの取材に対し、レベル3以上の搭載を明確に否定する見解を示したようだ。

いわゆる「スーパーカー」と自動運転は相容れないのか。自動車に求められる「価値」を深掘りしてみよう。

編集部おすすめサービス<PR>
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
新車定額!リースナブル(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリは「DiDi」(配車アプリ)
クーポン超充実!「無料」のチャンスも!
編集部おすすめサービス<PR>
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!
リースナブル
新車が月々2万円から!
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリDiDi
クーポンが充実!「乗車無料」チャンス
ジェイエイシーリクルートメント

■自動運転に対するフェラーリの見解

CEOが自動運転の価値を否定

出典:Wikipedia

ヴィーニャ氏は、オーストラリアの自動車メディア「Drive」のインタビュー取材に対し、「完全自動運転車を作るつもりはない。その点は明確にしておきたい。我々が目指すのは、コンピューターチップではなく、運転そのものを楽しむこと。そうでなければ、そもそもフェラーリを買う意味がない」と述べたという。

明確に自動運転を否定した格好だ。ただし、人間のドライバーの運転をサポートして安全性や快適性を高めるアダプティブクルーズコントロールなどのADASについては肯定しており、技術全般を拒否するものではないようだ。


フェラーリのこうした姿勢は過去から一貫している。BEVについては、以前から「電動化戦略のもと2025年以降に実現する」としており、このほど有言実行する運びとなったが、自動運転に関しては「自動運転車を製造する計画はないが、規制や顧客の嗜好に応じ、特定の機能を採用する」としていた。

英フィナンシャル・タイムズが2023年に開催した「未来の自動車サミット」では、EV開発においてソフトウェア開発能力を外部委託する必要性について問われたヴィーニャ氏自身は、「クルマには4種類のソフトウェアがある。パフォーマンスソフトウェア、快適性ソフトウェア、インフォテインメントソフトウェア、そして自動運転ソフトウェア」とし、その上で「最後のものはどうでもよい」と切り捨てたという。

フェラーリとしては、電動化はパワートレーンの一種であり、顧客の選択肢を広げる意味で有用とする一方、サポートの域を超えた自動運転技術に関しては明確に否定しているようだ。

■超高級車×自動運転の価値

自ら操ってこそフェラーリ!!

フェラーリはなぜ自動運転開発に否定的なのか。それは、フェラーリが高級スポーツカーメーカーだからに他ならない。F1などで培われた圧倒的な走行能力は、人間のドライバー自らが操作して初めて「運転する楽しさ」を感じられるものだ。


一般公道でその性能を存分に発揮するのは困難だが、モンスター級の馬力が生み出す速度や繊細なハンドリングなど、クルマを操る楽しさや難しさが凝縮されている。これを自動運転化してしまえば、その魅力は完全に失われることになる。

そもそも、自動運転車は道路交通法を完全に遵守して安全走行するように設計されており、必要以上の馬力は必要ない。路面の凹凸を逐一拾ってしまうような固いセッティングは乗り心地を損なうだけの無用の長物となる。

つまり、フェラーリのスペック・設計・思想は、自動運転に求められる性能と相容れないのだ。動力面などが明らかにオーバースペックである一方、車内空間における快適性などは低く、自動運転には向かないのだ。

フェラーリの購買層も、ステータスと運転する楽しさを求める層が圧倒的に多いはずで、自動運転を欲するならセカンドカーとして他のメーカーを購入する人が多いのではないだろうか。

ランボルギーニも同方針

これは、ランボルギーニなどいわゆる「スーパーカー」を開発・製造するメーカーも同様だ。同社副社長を務めるマウリツィオ・レッジャーニ氏は、研究開発責任者だった10年ほど前、「(自動運転は)おそらくランボルギーニがそれを提供する最後のブランドになる」とし、「顧客はランボルギーニを運転したいからこそランボルギーニを購入する。ハンドルを他人に任せたり、ランボルギーニをソフトウェアに任せたりするようなことはしない」とも述べている。

自家用車としてのスーパーカーと自動運転は、やはり相容れないようだ。では、他のラグジュアリーカーメーカーはどうだろうか。

ショーファーカーの代名詞的存在のロールスロイスは、人間の運転手を雇用することに意義・価値があるという姿勢を堅持しつつも、過去に発表したコンセプトモデル「103EX」などでドライバーレスの未来を描いている。

出典:ロールスロイス公式サイト

現状、人間の専属ドライバーの方が価値・ステータスが高いようなイメージがあるが、将来、こうしたイメージについてもAIが覆すことができるか、注目したいところだ。

マセラティやポルシェなどは、運転する楽しさを重視しつつも自動運転技術を特に否定することなく、将来技術に位置付けている感が強い。

▼ロールスロイス:103EX
https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP/inspiring-greatness/vision/103ex.html

■【まとめ】手動運転という概念が消える日は訪れるのか

ランボルギーニなどのスーパーカー系メーカーは、ドライバー自らが車両を制御することそのものに価値があるため、現状自動運転と相容れないようだ。

また、絶対的なステータスが重視される超高級車ほど、自動運転技術には消極的な傾向がうかがえるようだ。現時点において、AIによるドライバーレスは有人の運転よりも価値を低く見積もられているのかもしれない。

超高級車界隈におけるこうした傾向は、未来永劫変わらないのか。一般乗用車においても運転の楽しさを重視する層は依然多いが、AIの進化・時代の流れとともに減っていく可能性が高い。

将来、フェラーリやランボルギーニが完全自動運転化される日が訪れたら、それは世の中から「手動運転」という概念が消える日なのかもしれない。

【参考】関連記事としては「自動運転が可能な車種一覧(タイプ別)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事