独アウディ、自動運転やEV開発に8年間で5.2兆円投資 株主総会で発表

全モデルに電動化バージョン設定へ



自動運転やEVへの巨額投資を発表したアウディ=出典:アウディジャパンのプレスリリース

ドイツの自動車メーカーであるアウディ社は2018年5月10日、最新の企業戦略「Audi. Vorsprung. 2025」を株主総会で提示し、8年間で約5.2兆円を自動運転や電気自動車(EV)などの戦略的分野に投資することを発表した。2025年には約80万台のEVとプラグインハイブリッドを販売する目標を掲げた。

80万台は現在のアウディ全体の販売台数の3分の1にあたる。今後、すべてのモデルラインナップに電動化バージョンを設定する方針で、ブランド初の市販EVとなる「e-tron」を2018年中に欧州で発売する見込み。同社はこれを皮切りに続々とEVモデルを増やすことで、独メルセデスベンツ社や米テスラ社などに対抗し、EVの分野でプレミアムメーカーのリーディングカンパニーを目指す構えだ。


【参考】今回アウディが発表した企業戦略の詳しい内容はアウディジャパンプレスセンターの「プレスリリース」を参照。

ヨーロッパでは、2017年にアウディ社を含むフォルクスワーゲン(VW)グループやBMWグループなど6社が共同出資会社イオニティを設立し、2020年までにヨーロッパ各地に400カ所のEV向け超急速充電ステーションを設ける計画を発表している。環境規制を強める各国の方針を背景にEV化の流れはますます加速しそうだ。

なお発表の中で同社は、2021年にコンセプトカーをベースにした自動運転EVを発表することにも触れている。都市間を結ぶシャトルとして公道での試験走行を開始し、2020年代の半ばには自動運転車として生産を開始する予定という。2017年には自動運転レベル3(条件付運転自動化)を実現した世界初の量産モデル「Audi A8」を市販化しており、自動運転の分野でも引き続き存在感を増しそうだ。

【参考】自動運転レベル3の定義や技術要件については「自動運転レベル3の定義や導入状況は?日本・世界の現状まとめ|自動運転ラボ」を参照。



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