東京都の自動運転事業、4年目に突入!選定企業、どう変化?

2021年度は3つのプロジェクトを選定



東京都は2018年度から、自動運転技術のビジネス化・実用化に関するプロジェクトに取り組んでいる。都内で自動運転技術の社会実装を進めるため、民間企業からプロジェクトを公募し、選定された企業・プロジェクトを支援することで実用化を後押ししようというものだ。


これまでに2018年度、2019年度、2020年度にそれぞれプロジェクトを選定し、自動運転技術を活用したサービス実証などが行われてきた。そしてこのほど、2021年度の選定プロジェクトも発表された。

この記事では、2018年度から2021年度にかけ、どのような企業のどのようなプロジェクトが選定されたのか、紹介していきたい。

■プロジェクトとプロジェクト実施者の変遷は?

まず、2018年度から2021年度にかけて選定されたプロジェクトとプロジェクト実施者を以下の通り表にまとめたので、確認頂きたい。

2018年度から2021年度にかけて選定されたプロジェクト=出典:東京都(自動運転ラボまとめ)

事業初年の2018年度は、神奈川中央交通とSBドライブ(現・BOLDLY)による自動運転バスのプロジェクトと、日の丸交通とZMPによる自動運転タクシーによるプロジェクトが選定されている。事業2年目の2019年度も、日の丸交通とZMPによるプロジェクトなどが選定されている。


そして事業3〜4年目の2020年度と2021年度は、多数の企業が参加するプロジェクトが選定されるケースが目立ってきた。2021年度は京王電鉄やソフトバンクなどによるプロジェクトや、大成建設やティアフォーなどによるプロジェクトなどが選定されている。

■2021年度に選定された3つのプロジェクトは?

最後に2021年度に選定された3つのプロジェクトについて説明しておく。

都心部特有の自動走行困難な営業ルートでの自動運転バス運行実証

「都心部特有の自動走行困難な営業ルートでの自動運転バス運行実証」は、以下の企業で取り組まれる。

・京王電鉄バス
・京王バス
・京王電鉄
・京王エージェンシー
・日本モビリティ
・ソフトバンク
・あいおいニッセイ同和損害保険
・MS&ADインターリスク総研 ほか


実証実験は2021年11月から2022年1月の間で2〜3週間程度、新宿駅西口や都庁などの周辺で実施される予定だ。実証実験の車両には、日野自動車の「ポンチョ」(ロング2ドア)をベースとした自動運転バスを使う。

出典:東京都
まちのインフラと協調した自動運転サービスの運行実証

「まちのインフラと協調した自動運転サービスの運行実証」は、以下の企業で取り組まれる。

・大成建設
・ティアフォー
・損害保険ジャパン
・KDDI
・アイサンテクノロジー
・日本信号
・大成ロテック
・プライムアシスタンス

実証実験の実施予定期間は、先ほどのプロジェクトと同様、2021年11月から2022年1月の間で2〜3週間程度とされ、実施予定エリアも新宿駅西口や都庁の周辺となる。実証実験の車両には、トヨタの「JPN TAXI 匠」をベースとした自動運転車両を使う。

出典:東京都
自動運転車両を活⽤した臨海副都心エリアにおける新たなモビリティサービスの実証

「自動運転車両を活⽤した臨海副都心エリアにおける新たなモビリティサービスの実証」は、Mobility Technologiesが実施企業だ。

「国産自動運転車両」を使用するとしており、車内に搭乗員を乗せて自動運転レベル2(部分運転自動化)相当で運行予定だという。実施予定期間は2021年11〜12月の間で2週間程度で、実施場所は臨海副都心エリアのシンボルプロムナード公園内とされている。

出典:東京都
■【まとめ】2021年度も実証実験の成果に注目

東京都に選定されたプロジェクトは、毎年大きな注目を集める。2021年度は3つのプロジェクトが選ばれたわけだが、それぞれどのような実証実験の成果が得られるか、注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事