松屋やローソンなどの商品を自動運転宅配ロボットで配達する実証実験が、2021年2月8~26日にかけて実施される。ENEOSのほか、ENEOSのサービスステーションを運営する東新エナジー、ロボットベンチャーのZMP、宅配サービスのエニキャリなどによる取り組みだ
実施エリアは東京都中央区の佃・月島エリアで、対象ユーザーは3カ所のマンションの住人となっており、10店舗の商品を配達する。複数店舗の商品を自動運転宅配ロボットで配達する取り組みは日本国内で初だという。
後半改めて触れるが、この実証実験ではENEOSのサービスステーションが宅配ロボットの充電・デリバリー拠点として活用されることにも注目だ。
■ZMPの「デリロ」が10店舗の商品を配達
この実証実験はどのような手順で実施されるのか。
報道発表によれば、利用者が専用サイトで注文・決済を済ませると、ZMPの宅配ロボット「デリロ(DeliRo)」が商品を注文者のマンションまで運び、マンションの下に到着したら注文者に通知が届く。
商品を受け取る際にはデリロに受領用QRコードをかざすと、デリロの収納スペースから商品を取り出すことができるという。
実証実験では、正確性や安全性、配送コスト、配達時間、注文フォームの使いやすさなどを、技術面・ビジネス面の両面から検証する。そして2022年までにシステムやサービスを構築することを目指すという。
■サービスステーションが無人宅配の拠点に?
今回の実証実験の注目点の1つが、東新エナジーが運営するENEOSのサービスステーションが、宅配ロボットの充電・デリバリー拠点として活用される点だ。
宅配ロボットを実運用をする際には必ず待機場所が必要となる。路面店として営業する飲食店などでは店舗の前にロボットの待機スペースを確保できないが、サービスステーションであればその空間を確保しやすい。
そのため、ENEOSなどのサービスステーションを展開している企業は無人宅配サービスの絶好のパートナーになり得るというわけだ。ロボットの充電もサービスステーションならお手の物だ。
■【まとめ】国内約3万のSSが本格活用される時代へ
経済産業省の調べによると、2020年3月末時点で国内にサービスステーションは2万9,637カ所ある。このようにさまざまなエリアに散らばって存在するサービスステーションが、将来本格的に宅配ロボットの充電・デリバリー拠点となる未来がやってくるかもしれない。
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