【資料解説】三重県、空飛ぶクルマで「都会よりも豊か」実現へ

取り組みの方針や実証実績を解説





三重県は「空飛ぶクルマ」の実現によって「都会よりも豊かな地方都市の創生」を目指している。こうした目標を掲げる三重県の取り組みについて紹介する資料が公表されている。

今回はその資料を基に、三重県が空飛ぶクルマに関してどのような方針を示し、実際にどのような取り組みを進めているのか、紐解いていこう。







▼資料URL
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/air_mobility/pdf/005_01_09.pdf

■三重県が掲げる3つのテーマ

三重県は「離島・過疎地域等での生活支援」と「観光資源・移動手段」、そして「防災対策・産業の効率化」という3つのテーマを掲げ、空飛ぶクルマの実現に取り組んでいる。

離島・過疎地域等での生活支援

離島や過疎地域の多い同県では、緊急時の搬送や日常的な買い物に不便を感じている住民が多い。空飛ぶクルマは、それらの地域住民への生活支援や医療サービスの提供で活躍することが期待できる。

観光資源・移動手段

空港やターミナル駅からの移動手段としての活用や、スカイアクティビティといった観光資源としての活用も考えられる。

防災対策・産業の効率化

災害時の現場確認や救援の手段としての活用も視野に入れている。中でも人の移動が難しい山間部や海上などでの活躍が期待できる。各事業者らと協力し、実証実験もこれまでに複数回実施された。

出典:経済産業省公開資料
■これまでに実施された主な実証実験
楽天と協力して実施

2019年1月には楽天と協力し、無人航空機を活用して離島(志摩市・間崎島)へ商品を配送する実証実験を実施した。結果として、1月15日から19日の5日間で138点の商品を無人飛行機が無事故で配送している。

JTBなどと協力して実施

2019年11月から2020年1月かけてはJTBらと協力し、観光資源としての活用に向けた無人航空機の実証実験を熊野市、南伊勢町、鳥羽市で実施した。1月に鳥羽市で行なわれた実験では、無人航空機による港、離島、本土ホテル間の移動に成功した。今後は将来的な空のルート設定に向け、関係者らと話を進めていくという。

■「空の移動促進事業」に約3000万円を割り当て

三重県は2020年度の予算において、「空の移動促進事業」に対して3024万円を割り当てている。この事業の目的は、民間事業者による実証実験を通じて事業化やビジネス展開を促進させることだ。

具体的な予算の内訳としては、実証実験の誘致や関連イベント開催を含む「実証実験の支援や機運醸成の取組」に約420万円、インフラ整備や人材育成を含む「環境整備調査」に約1562万円、専門家の意見を踏まえ適切な飛行ルートを策定する「飛行ルート作成」に約1041万円となっている。

空飛ぶクルマの実現に前向きな三重県は、日本の中では福島県などとともに注目される存在だ。今後の取り組みにも期待していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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