観光型MaaSサービスを実サービスとして有料で提供する取り組みが、2020年2〜3月にかけて沖縄県南城市などで実施される。那覇空港から南城市への移動、そして南城市内の周遊に複数の交通手段を使い、観光体験なども組み合わせたものだという。
この取り組みは南城市の観光振興や地域活性化などを目的に実証実験として実施される。実証実験には全部で6者が関わる。具体的には、南城市とNECソリューションイノベータ、NearMe、りゅうにちホールディングス、沖東交通、ギフティだ。
この観光型MaaSサービスでは、オンデマンド型のジャンボタクシーや小型モビリティ、オンデマンドバスなどの交通手段が活用される。ソフトウェア開発のNECソリューションイノベータとタクシー相乗りアプリの開発で知られるNearMeがスマホ向けMaaSアプリの開発を担当する。
実証実験の実施期間は2020年2月21日から3月22日までで、このサービスは募集型企画旅行として一般に有料で提供されるという。ウェブでの事前決済で申込が可能で、各交通機関を使用する際に料金を支払う手間などが掛からないという。
■MaaSは確実に人々の移動を便利に
MaaSは今後確実に人々の移動を便利にする。バスや鉄道、レンタカーなどの移動手段は現在「縦割り」でそれぞれを利用しなければならなかったが、こうしたさまざまな移動手段を一つのプラットフォームで予約・決済できる社会を考えてみてほしい。便利になることは容易に想像がつくはずだ。
こうしたMaaSサービスはサービス提供エリアに住む住民の移動を便利にすると同時に、観光客にとっても嬉しいサービスだ。観光客などそのエリアに慣れていない人であるほど、どのような交通手段がどのようなルートで運営されているのか詳しくないからだ。そのため、一度の検索でルートと移動手段が予約・決済できれば、とても有り難いはずだ。
MaaSサービスはフィンランド発祥の「Whim(ウィム)」が有名だが、日本各地で既にアプリを使った実証実験が進んでいる。今回の南城市での取り組みもその一つで、実証実験の結果が注目されるところだ。
【参考】関連記事としては「伊豆の観光型MaaS、フェーズ2は「ブラウザ」で!利便性向上、繁忙期に実証」も参照。