福岡のある居酒屋に、自動運転技術を搭載した配膳ロボットが導入された。一体どんなロボットか、気になる人も多いだろう。
株式会社Style(本社:京都府京都市/代表取締役:金山洋明)は2020年5月5日までに、定額制居酒屋「定楽屋 天神大名店」に自動配膳ロボット「PEANUT」を導入したことを発表した。
自動配膳ロボットは飲食店において人手不足を補うために導入されるのが一般的だが、定楽屋では人との接触機会を減らすことなどを目的に導入された。新型コロナウイルス対策としてだ。
自動運転配膳ロボットの導入によって人同士の接触回数が減り、新型コロナウイルスの感染拡大リスクが抑えられると考えられる。
■中国企業Keenon Roboticsが開発するPEANUT
今回導入されたPEANUTは、中国の商業サービスロボットメーカー「Keenon Robotics」が開発したロボットで、日本では日本システムプロジェクト社が代理店として販売している。
PEANUTは、パレットにのった料理を自律走行で客に届けることが可能だ。音声認識による料理の案内なども可能で、店員の代わりを担ってくれる。
これまでに世界で6000体以上の稼働実績があり、中国国内のレストランへの導入も多い。新型コロナウイルスの感染が拡大してからは、隔離施設でも活躍しているそうだ。
■自動配膳ロボット市場、参入企業続々
自動配膳ロボットは企業の参入が相次いでいる分野で、いま熱いビジネス領域だ。特に先進国では人件費の高騰や人材確保の難しさが課題となり、自動配膳ロボットはこれらの課題解決に結びつくと期待感が大きい。
ソフトバンクの出資する米Bear Roboticsも自動配膳ロボットの開発を手掛けるスタートアップ企業で、同社の開発する自動配膳ロボットは事前に店内の走行可能ルートやテーブルの位置を把握することで、自律走行で厨房から各テーブルまで料理を運んでくれる。
ロボット開発を手掛ける中国のパンゴリン社は、すでに飲食店向けロボットを中国200都市以上で提供しているようだ。中国ではロボットだけで飲食店の業務を行う「ロボットレストラン」も誕生し、日本や欧米より一歩先を進んでいる印象だ。
■【まとめ】資金調達が円滑化し、普及スピードは加速!?
新型コロナウイルスの感染拡大は自動配膳ロボットの導入の機運を高め、今後、関連企業にとっては資金調達をしやすい状況が続きそうだ。資金調達によって開発が加速すれば、多くの人々が予想している以上に自動配膳ロボットの普及スピードは早くなりそう。
【参考】関連記事としては「自動運転×配膳!米Bear Roboticsとはどんな会社?」も参照。