自動運転向け半導体の開発などを手掛ける株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(本社:東京都中野区/代表取締役社長:大澤剛)=DMP=は2021年5月20日までに、無人走行ロボットやMaaS向け低速車両などのための統合ソフトウェアプラットフォーム「ZIA MOVE」を開発したと発表した。
「ZIA MOVE」は、カメラを用いて自己位置推定と環境地図作成を同時に行うVisual SLAM技術を含む映像ソフトウェア「ZIA SLAM」(DMPが2021年1月に発表)も含んでおり、自動運転に必要な認知・判断・操作の全てに対応した統合ソフトウェアプラットフォームとなる。
環境地図作成を行えるため、地図情報がない倉庫や工場、オフィス、農場などでの自律走行にも適した統合ソフトウェアプラットフォームと言え、ZIA MOVEを車両やセンサーなどと組み合わせれば、自動運転システムを早期に低コストで構築することができるという。
LinuxとROS2をサポートしており、高い汎用性を確保していることも強みだ。また、同社は実証実験のサポートもするという。
■グラフィクス技術に強みを持つDMP
ディジタルメディアプロフェッショナルは2002年に創業し、2011年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場している。グラフィクス技術に強みを持ち、ディープラーニングを用いた画像認識エンジンや次世代グラフィックスプロセッサなどを発表するなどしてきた。
同社はヤマハ発動機とAIや自動運転システムの開発を共同で行っていることでも知られ、共同で開発した小型組込み単眼カメラシステムの外販を2021年度第1四半期に開始するなど、精力的な動きを見せている。
そのほか2021年4月には、オフィスや工場で活躍する協働ロボット向けの画像認識システムの開発・製造・販売を行っている米Cambrianに出資し、共同開発を行うことも発表している。
■存在感をどれだけ高めていくか注目
上場企業、非上場企業を問わず、非自動車業界の企業ながら自動運転関連のビジネスを展開する企業が増えている。
上場企業であれば、測量大手のアイサンテクノロジーや画像認識アルゴリズムを開発するフィーチャ、非上場企業であれば自動運転OSを開発するティアフォーやロボットベンチャーのZMPなどが挙げられるが、列挙すればキリがないほどになりつつある。
そんな競争が激しさを増す業界で、DMPがグラフィック関連技術という武器をひっさげ、存在感をどれだけ高めていくか、注目だ。
【参考】関連記事としては「低コストな自動運転化に寄与!DMP、Visual SLAMソフトの提供開始」も参照。
低コストな自動運転化に寄与!DMP、Visual SLAMソフトの提供開始 https://t.co/vbocYttd9e @jidountenlab #DMP #自動運転 #SLAM
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) January 29, 2021