自動運転向け半導体の開発などを手掛ける株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(本社:東京都中野区/代表取締役社長:大澤剛)=DMP=は2021年1月28日までに、カメラやセンサーを使って自己位置推定と地図作成を同時に行うVisual SLAM技術のソフトウェア製品「ZIA SLAM」の提供を開始することを発表した。
ZIA SLAMは、自動走行や自律移動の実用化を見据えて開発された製品だ。Visual SLAMはSLAM技術の中でも安価で高精度かつ高速に動作することが可能なため、低コストで機器の高性能化が可能だという。
同社は報道発表でZIA SLAMについて「高い汎用性を確保しており、GPU(画像処理半導体)、CPU(中央演算処理装置)、FPGA(演算回路を自由に書き換えられる半導体)などプラットフォームに依存せずに組込みこむことが可能」と説明している。
DMPは低速車両の自動運転化のためのAI(人工知能)技術の開発を加速させており、今後はVisual SLAMのビジネスを拡大し、AGV(無人搬送車)やUGV(自動配送ロボット)、お掃除ロボットなどの実用化や普及に貢献したいとしている。
■拡大するSLAMロボット市場で事業展開
このニュースで登場したSLAMとは、「Simultaneous Localization and Mapping」の頭文字をとったもので、直訳すると「位置の特定と地図作成を同時に行う」ことを意味する。
米MarketInsights社のレポートによると、SLAMを搭載したロボットの世界市場は、2019年の2億4,850万ドル(約257億円)から2025年には4億7,260万ドル(約489億円)へと約2倍に成長するとされている。
こうした成長領域で事業を展開するDMP。2019年にはヤマハ発動機と業務資本提携したことでも知られ、事業の拡大でさらにこのSLAM領域で存在感を高めていきそうだ。
【参考】関連記事としては「ヤマハ発動機、DMPと業務資本提携 AI領域強化、自動運転システムの共同開発も」も参照。