「小ロット短納期」商品宅配、自動運転時代を待たずに実現へ注力!

サービス実現に向けた「つなぎ」の取り組みとは?



自動配送ロボットを活用した無人宅配サービスの実現に向け、各地で実証が加速している。宅配ロボットが自動で商品を運ぶ時代に向け、カウントダウンが始まった印象だ。







一方、こうしたサービスの全国的な普及には、まだある程度の時間を要する。しかし、ロボットサービス導入を見込む小売店などは、ただ単に実用化の時期を待つのではなく、こうしたサービスの実現に向け、今のうちに準備すべきことがある。

この記事では、小売店サイドにおいて自動配送ロボット導入に必要とされる取り組みについて解説する。

■自動配送ロボットの導入はスーパーでまず進む

自動配送ロボットによる無人宅配サービスは、初期においては特定のエリアごとに展開されることになる。ロボットのスペックや自動運転システムに依存する面が大きく、各ロボットが可能とする航続距離の範囲で、不確定要素をできるだけ省いて安全にサービスを提供するためだ。

こうした状況を踏まえると、無人宅配サービスは日常的な買い物需要の高いスーパーなどが、将来的にまず導入するものと思われる。

自動配送ロボットは、自社システムとして自ら導入するか、あるいは該当エリアでサービス展開する事業者と提携する方法などが考えられる。そしてエリア内でさまざまなシミュレーションを交えた実証を重ね、実用化に結び付けていく流れとなりそうだ。

これが将来考えられる「無人宅配サービス×スーパー」の姿だが、自動配送ロボットの実用化段階までにはまだ時間がかかる。しかし、指をくわえて待つのではなく、その段階に突入する前にやるべきことに着手するという視点も重要だ。

具体的には、デリバリー体制の構築やローカルECの構築などを通じて、地域における需要を掘り起こしながら、来たるべきロボット社会に備えるべきだ。そしてそのような準備的な取り組みが、日本でも徐々に目立つようになってきた。

■セブン&アイ:早くから各店舗を配送拠点とした宅配サービスを実現

必ずしも自動配送ロボットを前提としているわけではないが、新型コロナウイルスの影響もあって宅配需要が伸びる中、地域需要に対応した即時宅配サービスなどの導入に取り組む企業は増加傾向にあるようだ。

セブン&アイ・ホールディングスは、各店舗の配達拠点化をいち早く進めている1社だ。グループのイトーヨーカ堂は、インターネットで注文した商品を近隣店舗から配達する即日宅配サービス「ネットスーパー」を2001年にスタートしている。

新しい顧客ニーズ(御用聞き)に対応するため、各店舗が運営主体となって商圏内の利用者へ最短4時間で新鮮な商品を配達。着実にニーズをつかみ、2015年には未対応地域にネットスーパー専用店舗を開設し、配達エリアの拡大にも努めている。

2020年には、ネットスーパーアプリの本格運用や、一部地域で状況に応じて配送料金を変動させるダイナミックプライシングの導入なども行っている。

また、セブン‐イレブン・ジャパンも2017年に北海道の一部店舗で「ネットコンビニ」の実証に着手した。対象店舗は順次拡大しており、2021年4月時点で北海道、東京都、広島県の372店舗でサービスを利用できる。配送料は1回330円で、最短30分で配達する。

こうした取り組みのポイントは、各店舗が配送拠点となる点だ。ECプラットフォームや配送に関わるオペレーションは出来上がっているため、マンパワーで行っている配送を自動配送ロボットに置き換え、フリート管理システムを導入することで比較的容易に無人宅配サービスを実現することができそうだ。

出典:アスラテック公式サイト

セブン‐イレブン・ジャパンは、ソフトバンク本社ビルで屋内配送ロボット「RICE」を活用した取り組みも行っている。企業として本格導入を検討する段階には至ってないものと思われるが、全国に2万店舗超を構えるセブンイレブンがロボットを導入した場合、非常に広範なエリアにおけるサービス展開が可能になる。

細かに設置された配送拠点は、自動配送ロボット普及の大きな鍵となる。コンビニ各社の取り組みが、ある意味自動配送ロボット普及のカギを握るといっても過言ではなさそうだ。

■買い物代行を活用した宅配サービスも登場

地域に根差した小売事業者向けに、買い物代行の手法で宅配機能を提供するサービスも登場している。

ダブルフロンティアが手掛ける買い物代行プラットフォーム「ツイディ(twidy)」は、登録店舗の商品を自社ECに掲載し、利用者からの注文を登録制の配送クルーに依頼する。依頼を受けたクルーは、店舗で商品をピッキングし、利用者のもとへ配達する仕組みだ。

仮に、こうしたサービスに自動配送ロボットを導入すれば、配送クルーの代わりとなり得る。オーダーに従ってエリア内の拠点から各小売店舗にロボットを走行させ、商品をピッキングした後、注文者宅へ走行する流れだ。

■【まとめ】事前にDX化と地域需要の掘り起こしを

小中規模の小売店においては、事前に宅配サービスに向けた一定のオペレーションや需要喚起、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を図っておかなければ、自動配送ロボットの実用化についていけない可能性がある。

自動配送ロボットの実用化に向けた「つなぎビジネス」として、こうした観点で販売体系を見直し、将来を見越したDX化を図りながら地域需要を掘り起こしてみてはいかがだろうか。

【参考】関連記事としては「自動運転時代に花開く「つなぎビジネス」の先見性!」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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