テスラ、トランプ大敗で「自動運転」の表現禁止に?

蜜月のトランプ氏大敗で?



出典:wikipedia commons

FSD(完全自動運転)監視付きという表現を、テスラはすでに欧州でやめ始め、「テスラ運転支援」という名称に置き換えている。

背景にあるのは、運転中にドライバーの監視が必要なシステムに「完全自動運転」という名称を使用することへの批判だ。そして、ドイツ政府はテスラの運転支援システムをEU全域で承認することに前向きな姿勢を示している。


名称変更によって規制当局との協議が進展し、欧州全域での利用承認につながるかが注目される。

アメリカでもこの流れが起きる可能性がある。テスラと蜜月とされてきたトランプ大統領の共和党が中間選挙で大敗し、AI規制などに積極的姿勢を示す民主党の方針によって、改めて問題視される可能性が高まったからだ。

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■欧州で名称を変更

テスラは2026年10月、欧州向けウェブサイトで「Full Self-Driving(Supervised)」という名称を「Tesla Assisted Driving」に変更し始めた。日本語では「FSD(完全自動運転)監視付き」から「テスラ運転支援」への変更に相当する。

この変更を最初に指摘したのは、テスラの動向を追うソーヤ・メリット氏だ。同氏は10月8日、Xに欧州向けウェブサイトのスクリーンショットを投稿し、新しい名称が使用されていることを紹介した。その後、Tesla関連情報サイトのNot a Tesla Appも、テスラが欧州全域で新名称を採用したと報じている。


今回の名称変更は、運転支援システムそのものに新機能が追加されたことを意味するものではない。あくまで名称やブランド表記の変更であり、システムの運転支援機能とドライバーの監視義務は引き続き重要なポイントだ。

■ドイツ当局からの指摘

名称変更の背景には、ドイツ当局からの指摘がある。

ドイツ連邦運輸省は、テスラの「FSD」という名称について、やや誤解を招く表現だとの見解を示した。システムが運転操作のすべてを引き受けるわけではなく、ドライバーは引き続き運転状況に注意を払い、必要に応じて対応しなければならないためだ。

テスラは、技術面や責任の所在などをめぐってドイツ当局と協議するなかで、名称変更を提案したとロイター通信が報じている。


ドイツ政府は、名称の問題を指摘する一方で、システムのEU全域での承認には前向きだ。ステフェン・ビルガー運輸相は、テスラのドライバーがEU全域で運転支援のメリットをできるだけ早く利用できるようにしたいとの考えを示した。

■EU全域での承認には課題も残る

テスラの運転支援システムがEU全域で承認されるかどうかは、まだ確定していない。

ロイター通信によると、ドイツは、システムが検知した制限速度を最大10%上回る速度での走行を認めることを支持している。一方、フランスとスウェーデンは反対しており、EUでの投票は当初予定されていた10月から少なくとも12月に延期された。

さらに、テスラが規制当局に提出した安全性に関する証拠について、交通安全の研究者らが一部の内容に疑問を呈していることも、承認をめぐる課題となっている。

また、欧州向けウェブサイトでは新名称への変更が進んでいるものの、一部のイベントページには従来のFSDという名称が残っている。名称変更がすべてのページに反映されたわけではなく、移行は継続中とみられる。

■アメリカでも名称変更が必要に?

テスラは欧州で「FSD(完全自動運転)監視付き」という名称を「テスラ運転支援」に変更し始めた。ドライバーの監視が必要なシステムに「完全自動運転」という名称を使うことへの批判を受け、ドイツ当局との協議のなかで名称変更を提案したとされる。

ドイツ政府はEU全域での承認を後押ししているが、フランスやスウェーデンとの意見の相違、安全性に関する検証など、解決すべき問題は残っている。今後は、名称変更が規制当局との合意形成にどの程度影響し、EU全域での承認に結びつくかが焦点となる。

アメリカ国内でもこの流れが始まるのかも注目される。今後2年、トランプ氏が「ねじれ議会」の中で、どういう舵取りを行っていくのか、目が離せない状況が続く。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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