【東京で目撃】Googleの自動運転車、白バイが逮捕?

実用化を前に期待する声続々

B!

米国ではテスラのロボタクシーの目撃情報がSNSを賑わせているが、日本ではWaymoの自動運転車の目撃情報がちらちらと上がり始めている。サービス化時期は未定ながら、その期待度は日に日に高まっているようだ。

Waymoの実証車両に対し、どのような声が上がっているのか。その反応とともに、Waymoの事業についておさらいしていこう。東京で白バイに捕まったかのような画像もSNSでアップされており、関心が集まりそうだ。

編集部おすすめサービス<PR>
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ)
クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも!
新車に定額で乗ろう!MOTA(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめサービス<PR>
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリ GO
クーポンが充実!「乗車無料」のチャンス
MOTAカーリース
お好きな車が月々1万円台から!
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!

■SNSにおけるWaymoの反応

期待の声が続々寄せられる

SNS「X」上には2025年4月以降、以下のような声が次々とポストされている。

日本におけるWaymoの知名度がどの程度か掴みにくいところだが、意外と認知度は高いのかもしれない。また、走行するWaymo車を認識できる人の多くは、Waymoの技術力の高さも知っているのだろう。日本での実用化を期待する声が多いように感じる。

一方、次のような投稿も見つけた。これは、日本交通及びGOの会長を務める川鍋一朗氏のポストだ。

停車しているWaymoの実証車両の前に、白バイから降りた警察官がいる画像が添えられている投稿もあった。

何らかの違反により本当に捕まったのかもしれないし、たまたまかもしれない。それ以外の理由があった可能性もある。無理やり好意的に捉えれば、警察車両に止められた際のシミュレーションを行っていると見れなくもない。

真相は不明だが、同投稿を引用し、「自動運転の車が交通渋滞で捕まったとき、切符をきられるのは誰なんだろ?」といった疑問を投げかける人もいた。自動運転車は原則交通違反を犯さないが、それは絶対ではない。その責任は開発事業者のケースや運行事業者のケースがそれぞれ考えられるが、内容によっては切符では済まない場合もありそうだ。

これは面白い観点だ。一定エリア内を網羅しなければならない自動運転タクシーよりも、地方の特定路線における自動運転バス・シャトルサービスの方がハードルは低い。Waymoならすぐに無人商用化できる可能性も高いだろう。

しかし、現状Waymoがバス・シャトルサービスに手を伸ばす可能性は低いものと思われる。なぜならば、Waymoは「補助」などを念頭に置かずビジネス性を重視しているためだ。

Waymoは米国においてシャトルサービスには手を出さず自動運転タクシーに特化している。おそらくその理由はビジネス性で、回転の速い自動運転タクシーの方が運賃収入を多く得られると踏んでいるのではないだろうか。

仮に日本の地方で自家用車タイプの自動運転バスやシャトルサービスを展開する場合、Waymoであれば迅速に対応できる一方、採算性の面から需要が低いと判断すれば、積極的に手を出すことはないものと思われる。補助なしでは利益を生み出しにくいためだ。

日本では、公共交通維持・確保のため税金が投入されることが珍しくないが、Waymoはこうした補助を前提としていないのかもしれない。この先、公共交通において自治体などを交えた日本型スキームをWaymoが受け入れることはあるのか、こういった点も注目したいところだ。

■Waymoの日本進出の概要

日本交通、GOをパートナーに初の海外進出

Waymoは2024年12月、タクシー事業者の日本交通と配車サービスをはじめとしたモビリティ関連事業を手掛けるGOと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

出典:GOプレスリリース

自動運転タクシーの日本進出を見据え、日本国内の公道で走行実証に着手する計画だ。Waymoの実証車両を輸送し、日本交通のドライバーが運転する形でまずは日本の道路や交通ルールをAIに学ばせていくという。Waymoにとって初の海外進出だ。

実証車両はすでに輸送されており、2025年4月に東京都心の港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区の7区で走行を開始している。Waymo車両に乗り込む日本交通のドライバーは、事前に渡米してWaymoからトレーニングを受けるなど専門知識を取り入れている。報道によると、導入台数は25台という。この車両が都内で目撃され、SNSなどにアップされているのだ。

日本での自動運転タクシー実用化時期は未定で、現在は有人運転を繰り返し、日本におけるデータ収集を積み重ねている段階だ。Waymoの自動運転システム「Waymo Driver」は米国で無人走行を実現している世界トップクラスのシステムだが、米国と日本では道路環境や交通ルールなどが異なる。

周辺環境を認識するパーセプション技術の大半はそのまま通用しそうだが、左側通行や道路標識をはじめ、日本特有の交通ルールをしっかりとインプットしなければ自動運転は成立しない。

今後、どの段階でセーフティドライバー同乗の自動運転にシフトするのか。米国のように、アーリーライダープログラムを実施するのか。そして、最終的に無人サービスをいつ頃開始するのか。フリート規模はどこまで増加するのか。国内他市への展開をどのように考えているのか……など、気になるところだらけだ。

今後トヨタ車の採用はあるか?

日本車の導入の行方にも注目が集まるところだ。現在実証に使われている車両は、米国で自動運転タクシーに使用されているジャガーのBEV「I-PACE」だ。米国仕様のため左ハンドルで、日本交通のドライバーにとってはその点も負担になっているのではないだろうか。

もちろん、無人化を実現すれば右も左も関係なくなるが、日本人としてはやはり日本車の自動運転化を期待したいところだ。

Waymoは国内実証を開始した2025年4月、自動運転の開発と普及における戦略的パートナーシップに関しトヨタと基本合意したことを発表している。

互いの強みを結集し、新たな自動運転の車両プラットフォーム開発における協業を目指すとしており、将来的にトヨタ車にWaymo Driverが統合される可能性が高い。

次期Waymo車両には、韓国ヒョンデ(Hyundai)のBEV「IONIQ 5」が内定しているが、新たにトヨタ車がフリートに加わってもおかしくないだろう。

トヨタは自動運転サービス向けに北米仕様のシエナをベースにした「シエナAutono-MaaS」を展開しているが、同モデルはBEVではないためWaymoは取り扱わない。Waymoは全車BEV化にこだわっているためだ。

現行車種で最有力なのはbZ4Xあたりだが、BEVの新モデルを採用すべく協業を重ねている可能性も考えられる。大穴的には、e-Paletteの導入もあるかもしれない。自家用車ベースではなく、自動運転専用設計モデルをWaymoが初導入すれば、大きな話題となる。

すべて希望的観測だが、Waymo×トヨタの進展に期待したところだ。

日本向けの公式サイトも開設

Waymoは早くも日本向けの公式サイトを開設している。サイトでは、「日本No.1のタクシーアプリを展開する GO、東京最大手のタクシー会社である日本交通とパートナーシップを締結し、 東京で自動運転車両を導入します。まずは、日本交通の乗務員が運転するWaymoの自動運転車両を、港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区でテスト走行し、自動運転技術を東京の公道に適応させる予定」としている。

サービス実現に向けたロードマップはまだ示されていないが、自動運転タクシー実用化に向け取り組んでいることは間違いない。

以下、よくある質問からいくつかピックアップし、Q&Aを紹介する。

Q:いつから利用できますか?
A:すでに実証されているWaymo Driverの安全性を世界中に広めたいと考えていますが、東京ではまだ乗客向けサービスを提供していません。

Q:いつどこで走行する予定ですか?
A:東京都内のいくつかの区(港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、および、江東区を含みます。)で日中及び夜間に走行する予定です

Q:車両は単独で走行できますか?
A:Waymoの技術を利用することで、米国では完全自動運転の配車サービスが提供されています。しかし、日本における初期段階では、日本交通の乗務員が手動でWaymoの車両を運転します。私たちが自動運転を開始する際には、改めて皆様にご案内いたします。

Q:Waymoの車両は周囲を撮影しているのですか?
A:Waymo の車両は、周囲の状況を把握するために、カメラ、レーダー、および、LiDARセンサーを使用します。これらの情報は、自動運転ソフトウェアをテストして日本の道路に適応させるために、エンジニアリングチームが利用します。Waymoのシステムは、このデータを使用して特定の個人を識別するようには設計されていません。また、すべてのデータは、日本の法律および規則に準拠した方法で扱われます。

Q:Waymoについての詳細や最新情報は、どこで入手できますか?
A:Waymo に関する最新情報については、Facebook、X(旧 Twitter)、Instagram、the Waypoint(Waymo オフィシャル ブログ)をフォローしてください。

▼Waymoの日本向け公式サイト
https://waymo.com/intl/jp/waymo-in-japan/

■米国におけるWaymoの近況

サービスエリアの拡大を加速中

グーグルの自動運転開発を引き継ぐ形で分社化されたWaymoは、2018年12月にアリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーサービスを開始した。当初はセーフティドライバーが同乗し、乗客も限定していたが、1年後にはドライバーレス車両の導入も開始し、徐々に拡大していった。

2021年8月には、二つ目の都市となるカリフォルニア州サンフランシスコで一部乗客を対象に自動運転タクシーサービスを開始した。その後も、2024年3月に同州ロサンゼルス、2025年3月にテキサス州オースティン、同年6月にジョージア州アトランタ――と、新規エリアへの進出を加速している。

オースティンとアトランタでは、配車サービス大手Uber Technologiesのアプリから自動運転タクシーを利用できるようになっている。それまではWaymoオリジナルアプリでの利用に限定していたが、門戸を広げた格好だ。日本ではGOアプリでの配車を予定している。

今後、2026年にはワシントンD.C.やフロリダ州マイアミ、ネバダ州ラスベガス、カリフォルニア州サンディエゴでもサービスを開始する予定としている。自動運転システムの高度化に伴い、サービス化までに要する下準備の手間が以前に比べ減少しているものと思われる。

拡大局面のため黒字化はまだかもしれないが、米国では事業が軌道に乗った印象だ。

フリート総数は1,500台超に

Waymoによると、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティンにおけるフリート総数は1,500台を突破したという。さらに、2026年にかけて2,000台以上のI-PACEをフリートに加える計画を発表している。

2025年5月には、フェニックスに新たなWaymo Driver統合工場を建設すると発表した。数千台を生産可能な規模を見込んでおり、Zeekr RTをはじめとする新しい車両プラットフォームに第6世代Waymo Driverを統合することが可能になるとしている。複数のプラットフォームを同時かつ大量に生産する必要があるため、自動化組立ラインなどの効率化策を段階的に導入していくという。

米中間の経済摩擦を背景に、Ceely系ブランドZeekrとの協業は流れるのでは――とする見方が強かったが、パートナーシップは続いているようだ。複数のプラットフォーム生産をうたっており、IONIQ 5とともに自動運転化が進められるものと思われる。

ただ、中国製ソフトウェアなどを含む中国車の米国導入は規制が強化されているため、Zeekr RTの米国導入の可能性は何とも言えないところだ。もしかしたら、水面下で日本以外の国への進出計画を進めている可能性もありそうだ。

■【まとめ】早ければ2026年中にもサービスイン?

今後の注目は、やはりサービス開始時期に絞られるだろう。早ければ2026年中にもサービスインする可能性がありそうだが、こればかりは何とも言えない。フリート規模も気になるところだ。

車種については、当面はI-PACEになりそうだが、2026年以降にはIONIQ 5などの導入も始まっているものと思われる。トヨタなどの新規採用含め、どのモデルが日本市場に導入されるか注目したい。

【参考】関連記事としては「自動運転タクシーとは?アメリカ・日本・中国の開発状況は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事