ドイツの自動車メーカー大手フォルクスワーゲン(本社:ドイツ・ヴォルフスブルク/最高経営責任者:ハーバート・ディエス)は、2020年にVW乗用車ブランドのすべての新車をネットに接続可能な「つながるクルマ」にすると、2018年8月25日までに発表した。2025年までに年間500万台規模の車両に独自のネット接続サービスを搭載させる計画で、35億ユーロ(約4500億円)を投資するようだ。
フォルクスワーゲンは2019年からEV(電気自動車)のカーシェアリングサービスを始め、ネット接続による駐車場検索や車内決済サービス、車の荷物スペースで宅配便を配送するサービスなど本格的に始める。最初はベルリンからスタートするが、2020年には欧州や北米に事業を拡大する。投資金はサービス拡充のほか、有望なIT企業や小売・食品分野の企業の買収にも充てる。
■トヨタもクラウン発端に全車「つながるクルマ」に
一方、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)も、2018年6月からコネクテッドカー事業を本格的にスタート。将来的に新型クラウンとカローラスポーツの全グレードに車載通信機(DCM)を標準搭載し、各種サービスを提供することを既に発表している。これをきっかけに、国内で発売するトヨタ車すべてを「つながる車」にする計画だ。
トヨタのコネクテッドサービスは、自社構築の「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」からさまざまなサービスが提供される。例えば「LINE」を活用したシステムでは、自分の車を「友だち」に追加すると愛車とのトークが可能となる。目的地について「トーク」すると、所要時間や距離、逆算した出発時間、給油の必要性などをアドバイスしてくれるといった具合だ。
またAI(人工知能)搭載によりナビ情報は常に更新され、最新地図データとビックデータ交通情報から最適ルートを割り出せるようになるようだ。車両の状態を常時診断して走行のアドバイスを行う安心機能も充実している。
「VW車両をデジタル機器にする」と強調するフォルクスワーゲン。100年に1度の大変革時代を大チャンスととらえて開発を加速させるトヨタ。その攻防は見逃せない。
【参考】トヨタの詳しい事業戦略については「LINEから操作可能に!? トヨタカローラがコネクテッドカーに変貌 発売半世紀で「つながる車」に|自動運転ラボ 」も参照。
LINEから操作可能に!? トヨタカローラがコネクテッドカーに変貌 https://t.co/WgpQm9cBsm @jidountenlabさんから
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 28, 2018