自動運転バス、AIが「ブレーキ踏みすぎ」で部品破損か 安全重視があだに?

広島県福山市での実証実験



広島県福山市で始まった自動運転バスの実証実験が再開されることが、このほど分かった。この実証は開始2日目に機器の異常が検知され、試乗会が中止となっていた。調査によると、不具合の原因は「ブレーキの多用」だという。


自動運転AIが安全を重視し過ぎることで、ブレーキを踏みすぎるという独特の挙動があるのなら、同様のケースでプログラムの修正が必要になるかもしれないことを感じさせる事例となりそうだ。

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■福山市での自動運転バス実証の概要

福山市での実証実験は、自動運転移動サービスの実現に向けバス型の自動運転車両による走行を行うという内容で、2024年11月25日~12月6日に予定されていた。自動運転バスは1便あたり定員11人で、事前予約制で試乗も可能であった。

しかし11月26日の試乗会走行後に機器の異常を検知したため、11月27日〜12月1日の試乗会は急遽中止となっていた。自動運転用のブレーキシステムや冷却系統に不具合が生じたことが原因であったようだ。その後、期日までに対処が間に合わない状況であることが判明したため、12月3〜6日の運行も中止が発表されていた。

▼自動運転実証実験(試乗会) ※11月27日から12月6日まで全便運行中止します|福山市ホームページ
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/koho-detail02/koho-202411/340942.html


今回の実証で運行を委託されていたのは、群馬大学発の自動運転スタートアップである日本モビリティだ。

同社の調査によると今回のトラブルは、ブレーキの多用で電流が流れすぎたことによりモーター内の部品が破損したのが原因だという。市中心部の交通量の多さが部品の破損につながったようだ。福山市中心部は交通量が多く、自動ブレーキが頻繁に作動し負荷がかかったためだと考えられている。

自動運転車両内の写真=出典:福山市公式サイト

■運行を手掛けるのは日本モビリティ

日本モビリティによれば、今後はブレーキをかけるタイミングや走行速度などを調整した上で、2025年1月下旬以降に実証実験を再開するという。同社はこれまで自動運転バスの実証を多数手掛けてきたが、同じようなトラブルが起きたことはないようだ。


福山市は、2027年度に自動運転レベル4での市内無人自動運転移動サービスの実装を目指し、自動運転の実装に向けた取り組みを連携して行う企業を2024年2〜3月に募集した。その結果同年4月に連携企業候補者として日本モビリティが採用されている。

■2022年3月には実証中に接触事故

福山市と日本モビリティは、2022年3月にも共同で自動運転バスの実証を行っており、接触事故を起こしたことがあった。自動運転走行中に、右隣の車線を走行していた貨物自動車の荷台と自動運転バスの右ミラーおよび前部分運転席側のセンサーカバーが接触した。自動運転バスが貨物自動車側に接近したにも関わらず、ドライバーの回避が遅れて物損事故に至ったという内容であった。

出典:福山市公式サイト

その際は自動運転システムの不具合ではなく、ドライバーの安全確認不足が原因であったとの調査結果が発表されている。

今回の不具合は人的トラブルではなく、自動運転車のブレーキ機能に原因があることが分かった。安全性を重視するのなら、頻繁に自動ブレーキが作動するのは無理もないことだ。しかし交通量が多い道路で何度もブレーキが作動し、部品が消耗するというのは想定していなかったのかもしれない。

このようなことは、今後ほかの実証実験でも起こる可能性がある。日本政府は自動運転については、2025年度をめどに50カ所程度、2027年度には100カ所以上実現するという目標を掲げている。今回の事例を今後の技術開発に役立て、さらに安全性を高めていくことが期待される。

【参考】関連記事としては「福山市の自動運転事故「白線なし区間での検証が不十分」」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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