AI搭載車に求めること、2位は意外にも「子どもの相手」!1位は「自動運転」

調査データを「納得感」で独自ランキング化



AI(人工知能)がクルマに搭載されたら、日本人はどんなことを求めるのだろうか──。AI搭載車に何を求めるかについての調査結果が発表された。


この調査を行ったのは、インターネットマーケティングを手掛ける株式会社NEXERだ。グーネット中古車と共同で「人工知能搭載車」に関する年代別・男女別のアンケートを実施した。AI搭載車にはどんなことをしてもらいたいと思っているのだろうか。その理由は?詳しく見ていこう。

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■AI搭載車に何を求める?独自の納得感ランキング

出典:NEXERプレスリリース

NEXERは、事前調査で「普段から車に乗る」と回答した全国の男女を対象にインターネット調査を行い、608サンプルの有効回答を得た。

「今後、人工知能搭載車にどんなことができるようになって欲しいですか?」という質問では、各年代・性別ごとにさまざまな回答を得ている。

▼【AI搭載車に何を求める?】年代別、男女別で調査結果を紹介!子どもがいる場合は…?
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001360.000044800.html
https://www.goo-net.com/


発表されたデータをもとに、自動運転ラボが「なるほど!」「確かに!」「そうだよね!」と感じた順に、AI搭載車に求めること「納得感ランキング」トップ10を作ってみた。回答された理由とともに紹介する。

1位:自動運転

  • 「渋滞や事故が減りそうだから(10代・男性)」
  • 「運転が苦手だし、道を覚えるのも苦手なので、それができるようになったら、行けるようになるところが増える(20代・女性)」

自動運転を実現するには、AIは欠かせない技術となる。完全自動運転では人間は運転から解放され、映画を観たり睡眠を取ったりすることが可能になる。

2位:子どもの相手

  • 「長時間の運転中に子供が時間を持て余すから(30代・女性)」

子どもと一緒に車に乗ることがある人への質問で、「子供の相手をしてほしい」といった回答があった。特に長時間の乗車では子どもは飽きてしまい親が困ることが多い。タブレットやカーナビなどで動画を見せている人も多いだろう。そんな時、AIがその子どもに合わせた対応ができるなら、飽きずに楽しんで車に乗ってくれるだろう。


3位:話し相手

  • 「居眠り防止(30代・男性)」

1人で乗車し運転している場合、眠気に襲われることがある。すぐに停車し休憩を取れるような状況であればいいが、高速道路上などではそうもいかない場合がある。AIと会話して頭をすっきりさせることができるのなら、居眠り運転による事故は大幅に減るかもしれない。

4位:飲酒運転の感知

  • 「悲惨な事故が減るから(40代・男性)」

飲酒運転による事故が多発している。そもそも飲酒しての運転は違法なのだが、酔っているとその判断力もなくなっているのだろう。また自分は大丈夫という過度な自信が悲しい事故を招いている。飲酒している人がドライバーだとエンジンがかからないといった機能が搭載されるのであれば、飲酒して運転すること自体ができなくなる。息を吹きかけてアルコール濃度を調べるアルコールチェッカー機能は、全ての車両への搭載が切に望まれる。

5位:体調が悪い場合は運転できない機能

  • 「高齢者の事故が多いと思うので、乗らない選択をして欲しい(40代・女性)」

顔色や体温、血圧などの健康状態をチェックした上で、問題なければ運転できるという仕組みだ。体調が悪いことを実感していながら無理に運転して事故につながるケースも多い。また高齢者については、判断力や運動能力を測る機能があると良さそうだ。高齢者自身も、自分を客観的にみる良い材料になるはずだ。

6位:ペダルの踏み間違い防止システム

  • 「事故の減少(70代・男性)」

アクセルとブレーキを踏み間違えたことによる事故が多発している。アクセルを踏む状況でないときに踏んだ場合、AIがストップさせるということができるのなら、車の安全性はかなり高まるだろう。この機能については、自動運転とも重なる部分がある。

7位:ガソリンの給油の完全自動化

  • 「さらに暮らしが便利になるから(40代・男性)」

回答者は、ガソリンスタンドに行って所定の場所に停車すると、自動的に給油されるような仕組みを想定しているのだろうか。EV(電気自動車)については、高速道路を走りながら充電可能な「ワイヤレス充電」といった取り組みが米国で始まっている。日本でもEVのワイヤレス充電の実証実験が行われており、EVについてはこれが「自動化」と言えるかもしれない。

8位:もらい事故回避機能

  • 「防ぎようがないので(30代・女性)」

自分が運転に気をつけていても、危険な運転をする車に衝突されたら回避しようがない場合もある。そんな時、危険を素早く察知し、AIが即座に車を操作できるような仕組みがあったら事故は大幅に減るだろう。これも自動運転につながる機能だと言える。

9位:精度の高い事故防止機能

  • 「自動ブレーキ:事故を未然に防げそうだから(30代・女性)」
  • 「衝突回避のため自動で止まる機能:音だけでは反応しきれない事があるため(30代・女性)」
  • 「事故のリスクを軽減する機能:無事故でいたいから(40代・男性)」
  • 「危険の事前察知と警告機能:加齢での注意力低下(70代・男性)」
  • 「あらゆる危険を察知して運転をサポート:後期高齢者になりだんだん運転に自信がなくなってきた(70代・男性)」

さまざまな回答があったが、ここでは事故防止機能としてまとめている。ADASや自動運転は、事故を減らすことを第一の目的に開発されている。運転操作が楽になるといったことも大切だが、事故を起こさないということはドライバーのほか開発企業にとって最も重要な使命なのだ。

10位:渋滞予測・最適な抜け道の提案

  • 「仕事でも運転する事があり、時間に制約される事が多いので(30代・男性)」

カーナビやスマートフォンの経路案内などでも、渋滞情報を確認することはできる。ただしどのルートが最適なのかは結果的に正しくないこともあるかもしれない。AIを用いることで、その時間・状況においてどのルートが最も早く着くかについての精度の高い提案をすることが可能になりそうだ。

■【まとめ】今後の技術開発の発展に期待

自動車メーカーやシステム開発各社は、安全性が高いクルマを生み出すための努力を重ねている。すでに高速道路上で車間距離を一定に保ちながら走る「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」などのADAS機能が搭載されている車種は多く販売されている。

ADASの実現にもAIが使われているが、さらに一歩進んだ柔軟性のある機能を人は求めているようだ。今後クルマはどのように進化していくのだろうか。技術開発の発展に期待しよう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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