トヨタが出資!イスラエルの自動運転企業が「100億円調達」実現

Foretellixが発表、技術連携もあるか!?



イスラエルの自動運転関連企業であるForetellix(フォーテリックス)は、資金調達シリーズCラウンドの第1クロージングで4,300万ドル(約58億円)を調達し、合計調達額が9,300万ドル(約126億円)を超えたことを2023年5月2日に発表した。


この資金調達ラウンドには、トヨタ傘下のグローバル投資ファンドであるWoven Capitalや、半導体大手の米NVIDIAも参加している。

Foretellixは、自動運転やADAS(先進運転支援システム)のための検証や分析を行うツールの開発を手掛けている。

■自動運転技術の検証プラットフォームなど展開

2017年設立のForetellixは、自動運転システムやADASシステムの検証・妥当性確認プラットフォームをはじめ、自動レーンキーピングシステム(ALKS)に関する国連規制に準拠したパッケージなどを商用化している。

2020年7月に自動車技術開発ソリューションを手掛ける日本のバーチャルメカニクスとの業務提携を発表し、同社のソリューションの日本展開に注目が集まった。世界で最初のALKS規制検証パッケージをリリースしたことを発表したのは同年10月だ。


出典:Foretellixプレスリリース
■グローバル投資ファンドのWoven Capital

Woven Capitalは、モビリティ技術を開発するトヨタの子会社であるウーブン・バイ・トヨタ(旧ウーブン・プラネット)のグローバル投資ファンド部門だ。ウーブン・バイ・トヨタのパートナーとなり得るような、モビリティ分野におけるテクノロジーやイノベーションを生み出すグロースステージ企業への投資を行っている。

自動運転関連企業にも多数出資しており、同社の第1号投資案件は、2021年3月の自動配送ロボティクス企業である米Nuroへの投資であった。その他、自動運転パーソナルモビリティを開発する日本のWHILLや、未来のモビリティ・テクノロジーの実現に特化したUP.Partnersのファンド、フリート事業のデジタル・トランスフォメーションを手掛ける米Ridecellなどにも資金提供を行っている。

■トヨタとForetellixの技術が融合!?

今回Woven CapitalがForetellixへの投資を行ったことで、今後トヨタが自動運転車の開発において、Foretellixの自動化・検証ツールを採用する可能性がありそうだ。静岡県で建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」で活用されるかもしれない。今後の取り組みに注目だ。

▼Foretellix公式サイト
https://www.foretellix.com/


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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